FDKは7月8日、従来製品と同等のサイズを維持しながら、約60%増となる大電流対応化と約30%減となる低抵抗化を実現した携帯機器向け「次世代型ハイパワーインダクタ"MCPシリーズ"MCP2016D(2.0mm×1.6mm×1.0mm max)」を開発したと発表した。

携帯機器の電源回路向けパワーインダクタには近年、「高い定格電流」、「低損失」、「小型・薄型化」などのニーズが求められており、高定格電流化に伴い、金属材料を使用したパワーインダクタの使用比率が増加傾向にある。しかし、金属材料は高い直流重畳特性を得られる一方で、高周波領域では渦電流損失の増加に伴うコアロスが増大する傾向があるといった課題があった。

今回同社は、フェライト材料の持つ優れた電磁変換効率を引き出すため、独自の「フェライト材料技術」、「磁気回路設計技術」および「プロセス技術」を駆使することで、金属材料を使用したパワーインダクタを超える直流重畳特性と高周波領域の低抵抗化をフェライト材料で実現。これにより、省スペースながら大電流用途の電源回路に加え、高周波駆動の電源回路においても高い変換効率を実現することが可能となったとする。

ハイパワーインダクタ「MCP2016D」