帝国データバンクと東京商工リサーチは7月8日、6月度の企業倒産の集計結果を発表した。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では847件/2,116億4,200万円、商工リサーチの発表では865件/1,920億3,700万円となっている。
帝国データバンクの調査結果
2014年6月の全国企業倒産の件数は、前年同月と比べ6.5%減少した。11ヵ月連続で前年同月を下回り、6月としては2006年(744件)に次ぐ低水準となった。
2014年6月の全国企業の負債総額は、年同月比45.8%の減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。5ヵ月ぶりに2,000億円を上回ったが、前年同月に負債1,000億円超の倒産(アイティーエム証券)があったため、前年同月を大きく下回った。
業種別では、7業種中5業種で前年同月を下回った。製造業(104件、前年同月比28.8%減)、小売業(169件、同11.1%減)の2業種は2ケタの大幅減少となったほか、建設業(181件、同1.1%減)は21ヵ月連続の前年同月比減少となった。一方、不動産業(27件、同80.0%増)、運輸・通信業(43件、同16.2%増)は前年同月を上回った。
地域別では、9地域中5地域で前年同月を下回った。5地域ともに前年同月比2ケタの大幅減少で、北海道(21件、前年同月比27.6%減)、北陸(24件、同22.6%減)など4地域は前年同月比20%以上の減少となった。一方、四国(21件、同50.0%増)、東北(36件、同16.1%増)など4地域は前年同月を上回った。
商工リサーチの調査結果
2014年6月の倒産件数は、前年同月比3.5%減(32件減)で、2ヵ月連続で前年同月を下回った。6月度としては過去20年間で最少だった。ただし、同社は月次推移を見ると、2013年12月(750件)を底に減少傾向の下げ止まりもうかがえ、今後の推移が注目されるとしている。
2014年6月の負債総額は、同49.9%減(1,916億6,700万円減)で、5ヵ月連続で前年同月を下回った。従業員数別では、5人未満の構成比が72.0%と、6ヵ月ぶりに70%を占めた。
産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、6産業が前年同月を下回った。増加したのは、建設業、不動産業、サービス業他(情報通信業は前年同月と同じ)。
地区別では、北海道・東北・関東・中部・北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、6地区で前年同月を下回った。増加したのは、四国、近畿、九州。