横河ソリューションサービスは7月7日、搬送、加工・組立、包装などファクトリーオートメーション(FA)工程における、装置との情報連携に最適なフレキシブルファクトリーコントローラ「VC100」シリーズを発表した。

製造業では、製造工程をコントロールするシステムのPCS(Process Control System)と、企業・工場全体を経営の視点で情報を管理するシステムのERP(Enterprise Resource Planning)との間の領域に、製造工程における製造スケジュール、品質、在庫などを管理するシステムのMES(Manufacturing Execution System)が導入されている。MESは、製造工程と経営情報を連携させるうえで、工場内では重要な役割を担っている。しかし、市場には製造工程制御と情報管理を連携させるための適切なコントローラが提供されておらず、この機能を汎用PCなどのオープンシステムで代替させているために、耐久性、安全性、長期保守などの課題を解決できていない状況にある。

「VC100」シリーズは、堅牢性、連続運転性、耐ウィルス性に優れ、長期保守を実現したFA用コントローラとなっている。具体的には、ハードウェアは汎用PCとは異なり、ハードディスク装置などの機械機構を極力排除し、24時間連続運転を可能にするなど、耐環境性に優れている。さらに、生産現場のコンピュータは長期にわたって使用されることが多いことから、10年間の保守対応製品とした。この他、独自OSを搭載することにより、コンピュータウィルスに感染しにくいという特徴も有している。

また、近年では、MESによる品質履歴追跡、設備稼働状況の把握といった領域でもリアルタイムに発生する現場データを漏れなく収集することが要求されるようになってきた。同社では、「VC100」シリーズの発売を弾みにして、現場のシステム構築に関する経験やノウハウを生かし、MESを中心にERPとPCSの情報を連携させた"現場と経営の直結"のトータルソリューションの提案を加速していくとしている。

FA向けフレキシブルファクトリーコントローラ「VC100」シリーズ