オンラインストレージの米Boxは7月7日(米国時間)、投資会社2社より合計で1億5000万ドル(約150億円)を調達することを発表した。Reutersなどの報道によると評価額は24億ドル。Boxは同日、調査会社Gartnerの企業向けファイル同期・共有市場のマジック・クアドラントで「リーダー」と位置づけられたことも発表している。
Boxはオンラインストレージを提供するベンチャー企業。個人ユーザーが多いDropboxと比較してセキュリティ機能などを特徴としており、企業を中心に利用されている。Boxによるとユーザー数は2700万人、導入企業は24万社に達しており、Fortune 500の99%が自社サービスを利用しているという。
Boxは今回、プライベートエクイティのTPG GrowthとCoatue Managementの2社より、合計1億5000万ドルの調達を受ける。詳細条件などは公開していないが、この取引のもと、TPGはBoxの取締役会に1席を確保する。Reutersなどの報道によると2社はBoxの評価額を24億ドルと見積もっているようだ。一方で、Boxが提出した書類によると同社は2014年第1四半期に4530万ドルを売り上げるも、純損失は3855万ドルであり、黒字転換を果たしていない。売上高は前年同期比約2倍で拡大したが、損失は前年同期より増えているという。なお、Dropboxは今年2月に約3億5000万ドルを調達した際、評価額は100億ドルと報じられていた。
Boxは同日、Gartnerが初めて作成した「Enterprise File Synchronization and Sharing(EFSS)」市場のマジック・クアドラントでリーダーに選ばれたことも発表した。EFSSは企業向けのファイル同期・共有サービス市場で、Boxはトップの「リーダー」カテゴリーに選ばれた。Boxのほかには、米EMC、米Citrix、米Accellionが選ばれている。Dropbox、米Google、米Microsoft、米IBMは「チャレンジャー」となっている。
BoxはIPOを計画しており、3月にS-1書類を提出している。IPO時期は未定。同社にはすでに、Andreessen Horowitzなど3社からの出資を受けている。