島津製作所は7月4日、分析作業の生産性を高め、分析装置の制御や測定結果の確認に用いるPCをラボに置かない環境(PCレスラボ)を提案する一体型高速液体クロマトグラフ「i-Series」として、超高速・高分離分析に対応した「Nexera-i」と、汎用分析から高速分析に対応した「Prominence-i」の2機種を発表した。
「i-Series」は、新機能であるICM(Interactive Communication Mode)やスマートフォンなどのスマートデバイスからの装置制御により、PCレスの分析ラボを実現することで、分析装置の全く新しい操作環境を提案する一体型HPLC(高速液体クロマトグラフ)である。具体的には、HPLCに求められる性能を飛躍的に向上させ、幅広い分析用途において高い信頼性を提供する。さらに、本体前面に配置されたカラー液晶タッチパネルや、一体型HPLCならではのシンプルな装置構成によって、誰でも簡単に分析を行うことができる操作環境を実現する。また、分析業務のさらなる効率化のため、装置の起動から分析、シャットダウンまでの一連の操作を完全自動化したのに加え、複数の分析者がいつでも試料をセットすることができるダイレクトアクセス機能を有している。そして、従来機や他社装置などの既存システムから「i-Series」への更新を行う際に、分析メソッドのスムーズかつ容易な移行が可能となっている。
今後、同社では「i-Series」を通じ、医薬・化学・食品・環境等の幅広い分野におけるユーザーの研究開発や各種規格試験、品質管理業務を支援し、国内外での高速液体クロマトグラフのさらなるシェア拡大を目指すとしている。なお、価格は「Nexera-i」が540万円から(税別)、「Prominence-i」が460万円から(税別)。