大日本印刷(DNP)は4日、利用者の動きに連動して異なる体験ができる7種類のインタラクティブ鑑賞システムをパッケージ化し、展示施設やショールーム向けに提供すると発表した。

絵の前に立った人の位置をセンサーで検出し、歩く動作に合わせて絵の見え方を変える「ウォークビュー」

タッチパネルモニター上で選んだ絵柄や模様を組み合わせてデザインシミュレーションできる「ワークショップクリエイター」

今回提供を開始した鑑賞システムは、画像合成やセンシング、マルチメディアの技術を組み合わせて作られたもの。利用者の動きに連動し、「名画の中に飛び込む」、「オリジナルデザインを実物に」、「壁をくりぬいて向こうを見る」など、インタラクティブ性を持った体験ができるということだ。

また、スクリーンに投影された絵の前に立った利用者の歩く方向に合わせて絵の見え方が変化し、あたかも絵の中に入り込んだかのような体験ができる「ウォークビュー」をはじめ、タッチパネルモニターで選んだ複数の絵柄や模様を組み合わせて、簡単にデザインシミュレーションができる「ワークショップクリエイター」、タッチパネルモニターの画面内で浮遊するアイコンに触れると、その説明がモニターに表示される「フローテーブル」、紙のパンフレットをテーブルに置くと、情報を補完する映像がテーブル上に投影される「AR(拡張現実)パンフレット」、利用者自身の画像を、壁やスクリーンに投影された風景内にリアルタイムに合成する「エフェクトショット」、レーザーポインタを使って、くりぬいた壁の向こうに広がる風景や壁の内部の構造など、実際には目にすることができない風景やシーンを壁などに投影する「ウォールプレゼンター」、年表など時系列に沿った情報をインタラクティブに提供する「ヒストリーウォール」といった7種類が用意される。

なお、このたびのパッケージ化により、各システムをオリジナルに開発する場合に比べて、2分の1から3分の1の価格(約400万円~700万円)、納期(約2カ月~3カ月)での提供が可能になったということだ。これらの鑑賞システムの一部は、すでにルーブル美術館などに導入されている。