iPS細胞を用いた臨床研究を進めている理化学研究所(理研)再生科学総合研究センターの高橋政代プロジェクトリーダーは、自身のTwitter上にて、「理研の倫理観にもう耐えられない」、「まだ始まっていない患者さんの治療については中止も含めて検討いたします」などと記した一連の発言に対する、公式コメントを理研Webサイト上に公開した。

同コメントでは、現在、移植手術に向けて細胞培養を行っている患者への臨床試験は予定通り遂行すること、ならびに今回の発言に対しては、さまざまな状況を考えて新規患者の組み入れに慎重な対応をする必要があるという意味であり、中止の方向で考えているわけではないとするほか、一刻も早く治療法を作りたいという信念は変わっていないことを強調している。

なお、同氏のコメント全文は以下のとおり(原文ママ)。

お騒がせして申しわけありません。
現在移植手術に向け細胞培養を行っている患者さんの臨床研究については順調に推移しており予定通り遂行します。ネット上で「中止も含めて検討」と申し上げたのは、様々な状況を考えて新規の患者さんの組み入れには慎重にならざるを得ないというのが真意で、中止の方向で考えているということではありません。臨床研究そのものには何の問題もありませんし、一刻も早く治療法を作りたいという信念は変わっておりません。理研が一日も早く信頼を回復し、患者さんが安心して治療を受けられる環境が整うことを期待しています。

高橋政代