セイコーインスツル(SII)は7月1日、自動車のECUの電源として用いられている12V鉛バッテリの電圧を直接検出することが可能な125℃動作の36V高耐圧ボルテージディテクタ「S-19110シリーズ」を発表した。
同シリーズは、入力電圧36V、定格45Vの高耐圧製品であり、直接12V鉛バッテリに接続することで、外部の分圧抵抗を不要にでき、分圧抵抗によって消費されていた電流約100μAを2.0μA以下に削減することができることから、ECUの暗電流対策に貢献することが可能だという。
また、一般的なボルテージディテクタと違い、電源端子とグラウンド端子を隣接せず配置することで、マイグレーション試験などを想定した隣接端子間ショートにおける破壊を回避することも可能となっている。
検出電圧は、高精度のレーザートリミングにより3.0Vから10.0Vまで0.05V刻みで選択することができるほか、電圧検出タイプは、電源電圧VDD端子にかかる電圧を検出するVDD検出品と、検出電圧入力端子(SENSE端子)の電圧を検出するSENSE検出品の2種類を用意。SENSE検出品では、電源端子(VDD)とは別に検出電圧入力端子(SENSE端子)を備えており、SENSE端子電圧が0Vまで低下しても電源端子へ電圧が供給されるため、リセット出力が不安定になることはないという。
さらに、出力形態はNchオープンドレイン出力となり、出力端子には最大定格45Vまでの電圧印加が可能。パッケージは、鉛フリー、ハロゲンフリーのSOT-23-6を採用しており、自動車向けIC品質規格であるAEC-Q100にも対応する予定だという。
なお、同シリーズのサンプル価格は100円で、2015年度には年間200万個の販売を目指すとしている。