オリンパスは7月1日、生物顕微鏡用の対物レンズとして、多光子専用対物レンズ「XLPLN10XSVMP」と「XLSLPLN25XGMP」、シリコーン浸対物レンズ「UPLSAPO30XSIR」3本を発表した。
同製品は、生命科学の先端研究に使用される多光子励起レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW」シリーズと組み合わせて使用する対物レンズ「UIS2」シリーズの新製品である。独自の光学技術を駆使したクリアで忠実な撮像を実現する対物レンズのラインアップを拡充することにより、脳神経メカニズムの解明などの先端研究に対し、より一層の貢献を目指すとしている。
多光子専用対物レンズは、焦点からのみ蛍光を発する特性により、高精細な3次元画像を得ることができる多光子励起レーザ走査型顕微鏡専用の対物レンズとなっている。「XLPLN10XSVMP」は、生体組織の表面からの深部観察で、広い範囲を対象に、より効率よく明るい観察を行うことができる。近年開発された、高屈折率の液体を用いた標本透明化技術にも対応し、先端研究に一層貢献する。「XLSLPLN25XGMP」は、生体組織を傷つけることなく表面から最大8mmの深さまで、明るく高精細な3次元画像を観察することができる。マウスの脳表面から、記憶をつかさどる重要な組織である海馬、さらに深部に至るまでの観察が可能。この他、近年開発された、高屈折率の液体を用いた標本透明化技術にも対応している。
シリコーン浸対物レンズは、観察対象物との間にシリコーンオイルを満たして観察する対物レンズである。「UPLSAPO30XSIR」は、レンズ表面のコーティングの改良により、多光子励起レーザ顕微鏡による生体観察において、組織表面から深部まで、より明るい画像で観察することができる。また、長時間にわたり時間経過ごとの変化を観るタイムラプス観察にも適している。