ケースレーインスツルメンツは、360Wと720Wに対応したプログラマブルDC電源「2260B」シリーズ4機種を発表した。
研究開発、製造テスト、品質管理のエンジニアは、複雑な電子機器やコンポーネンツの特性評価やデバッグのために、正確で信頼性の高い電源を求めている。同シリーズは、ベンチトップ、組み込み/製造テストで、より大きなパワーや高性能が必要なアプリケーション向けに設計されたプログラマブルDC電源となっている。
具体的には、最初に電圧を印加する際、突入電流によるスパイク電圧で被測定物(DUT)の損傷を防ぐため、電圧と電流の立ち上り時間(またはスルーレート)制御が可能。電流の立ち上り時間をプログラムすると、定電流制御優先モードになり、電流のスルーレートはDUTに加わる電圧の立り上りレートを制限する。さらに、立ち上り時間の制御に加え、立ち下り時間もプログラムでき、立ち上り時間とは異なった値に設定することができる。このため、負荷に供給する電源を正確に制御することが可能で、オーバーシュートスパイクや過度の突入電流を防ぐことができる。この他、コンポーネント、モジュール、デバイスの損傷を防ぎ、LEDなどのコンポーネントの正確なI-V特性曲線が得られる。
また、回路またはデバイスへの電源供給で使用される、実際のソースの出力抵抗と等価の出力抵抗を持ったテストソースを使用し、最も現実的な条件で回路またはデバイスをテストする。例えば、バッテリは値が変化する内部抵抗を持っており、バッテリによって電源を供給されるデバイスには、バッテリの内部抵抗による電圧降下分が差し引かれた電圧が印加される。「2260B」シリーズには最大5.9Ωの内部抵抗を持つことができるため、鉛蓄電池などのデバイスをシミュレーションできる。
なお、価格は、30V/36A/360Wの「2260B-30-36型」と80V/13.5A/360Wの「2260B-80-13型」が11万4000円(税別)、30V/72A/720Wの「2260B-30-72型」と80V/27A/720Wの「2260B-80-27型」が14万8000円(税別)。