Alteraは6月30日(米国時間)、業界最短クラスのコンパイル時間を実現した開発ソフトウェア「Quartus II v14.0」を発表した。
同ソフトウェアにより、生産性を高め、FPGAおよびSoCにおいて業界最速クラスの設計収束を達成することが可能となる。最新版には、小規模なデザイン変更を行う際にコンパイル時間を短縮するラピッドリコンパイル機能、エンタープライズクラスの性能を提供するPCI Express(PCIe) IPソリューションが含まれている。さらに、Qsysシステム統合ツールでのAXIサポートの強化に加え、Altera OpenCL向けSDKでは迅速なプロトタイピングデザインフローにおいても、機能強化が図られている。
このうち、ラピッドリコンパイル機能は再設計され、フルコンパイルを行うより短い時間で、小さなデザインの変更とリコンパイルを行うことができる。同機能を使用することで、デザインが変更されていない部分の配置配線を維持しながら、合成前HDLの変更を最大3倍、またポストフィットSignalTap IIロジックアナライザの修正で最大4倍、コンパイル時間を短縮できる。現在、ラピッドリコンパイル機能はすべての28nm FPGA 「Cyclone V」、「Arria V」、「Stratix V」でサポートされている。
また、FPGA PCIeソリューションは、IPポートフォリオをさらに強化した。アプリケーション性能を高め、最大6.7Gbpsの40万IOPS以上のスループットを提供するほか、ダイレクトメモリアクセス(DMA)エンジン、エンタープライズクラスデバイスドライバ、評価およびデザイン統合プロセスを簡素化するリファレンスデザインを備えている。
Qsysシステム統合ツールに施された機能強化は、システムレベルのハードウェアコンポーネントを接続するプロセスを簡素化する。Qsysは、AMBA AXI3とAXI4仕様のサポートを拡張し、AXI4のLite版であるAXI4-Liteと、ポイント間接続用AXI4-Streamもサポートしている。これらの機能拡張により、より広範なカスタムIPをサポートし、Alteraおよびサードパーティ企業によって開発されたIPとの統合が容易になることで、より優れたデザイン再利用が可能になる。
なお、「Quartus II v14.0」のサブスクリプションエディション、および無償のWebエディションは、AlteraのWebサイトから入手可能となっている。Alteraのソフトウェアサブスクリプションプログラムは、ライセンス料とメンテナンス料を合わせて年間費用として支払うことができるように簡素化されている。サブスクリプション契約者には、「Quartus II」、「ModelSim Altera Starter Edition」、同社のIPコアで最もよく利用されているIPコアで構成される「IP Base Suite」の全ライセンスが提供される。年間費用は、米国内販売価格が2995ドル(ノードロックPCライセンス時)。