IDC Japanは7月1日、2014年第1四半期(1月~3月)の世界HCP(Hardcopy Peripheral:ハードコピーペリフェラル[プリンタ/複合機/コピー機等])市場における出荷台数の実績値を発表した。

同四半期の世界HCP市場は、2013年第3四半期(7~9月)から3四半期連続のプラス成長となり、出荷台数2,640万台、前年同期比2.1%増だった。地域別では、2大市場である西欧と日本を除くアジア太平洋(APeJ)において、それぞれ前年同期比5.5%増、同7.1%増、出荷台数は770万台、540万台を記録した。

ベンダーシェアは、上からヒューレット・パッカード(HP)、キヤノン、エプソン、ブラザー、サムスンとなった。上位5社のうちヒューレット・パッカード(HP)、エプソン、ブラザーの3社が前年同期比プラス成長を達成した。

HPはカスタマー向けの「Ink Advantageプログラム」とチャネル/エンドユーザーを対象としたプロモーションがプラス成長に貢献した。エプソンはExpressionシリーズのほとんどのモデルで、20ドル~150ドルの即時販売奨励金プログラムを延長したため、同シリーズは引き続き好調を維持し、プラス成長に寄与した。

その他の目立った実績として、リコーがレーザープリンタで初めて世界のトップ5入りを果たしたことが挙げられている。カラーMFPにおける躍進が前年同期比9.8%増の成長に貢献しているほか、チャネルパートナーに対して推進している「サービス主導型アプローチ」が徐々に成果を上げているという。

ワールドワイド HCPトラッカー プログラムディレクターのフォン・ハン氏は、「2014年は成長の年になると予測している。HCPベンダーにとっては、特定の産業分野への対応が重要になる。ベンダー共通のターゲットとしては、従来通り、医療、金融、公共、法曹関連といった伝統的にドキュメントを多用する業種が挙げられるが、IDCでは製造業が2014年に注目を集める産業分野の1つと見込んでいる」と述べている。

2014年第1四半期 世界ハードコピーペリフェラル市場 出荷台数 トップ5ベンダーシェア  資料:IDC Worldwide Quarterly Hardcopy Peripherals Tracker, May 2014