ポーラ化成工業は7月1日、心理ストレスなどの刺激によって肌内部に放出される神経伝達物質(神経ペプチド)「サブスタンスP」が、肌の弾力性やくすみに影響を与える真皮線維芽細胞のコラーゲンの発現を低下させることを発見したと発表した。

同成果の詳細は、9月10日~13日にコペンハーゲンにて開催される「第44回 欧州研究皮膚科学会(European Society of Dermatological Research)」にて発表される予定。

サブスタンスPは、神経物質の1つとして種々の刺激により神経線維から放出されるが、心理ストレスなどの刺激により皮膚内でも増加することが知られていた。しかし、真皮にどのような影響を及ぼすのかはよくわかっていなかった。

今回、研究グループでは、同物質が真皮線維芽細胞におよぼす影響を調査。その結果、同物質が、真皮線維芽細胞のI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンのmRNA発現を抑制することを発見した。中でも、真皮上層部に多く存在し、他のコラーゲンに比べて透明度、光透過性が高いIII型コラーゲンのタンパク発現量は同物質添加後24時間で約17%減少することが判明したという。

この結果を受けて研究グループでは、同物質によるコラーゲン産生抑制を防ぐ素材の探索を実施。最終的に、ハスの胚芽から抽出したエキスで、フラボノイド類を含む「ロータスエキス」にその効果があることを見出したほか、そのメカニズムとして、「ロータスエキス」に真皮線維芽細胞におけるサブスタンスP受容体(NK-1R)のmRNA発現を低下させる効果があることを確認したという。

なお研究グループでは、今回の成果を活用することで、ストレスが原因で起きる肌の弾力性低下、くすみなどの肌悩みの解決につながる可能性があるとし、2014年秋にポーラより発売される化粧品に成果を活用していく予定としている。

サブスタンスPによるコラーゲン発現抑制とロータスエキスの効果