エプソンは6月26日、バッテリ駆動でカラー最大50枚、モノクロであれば最大100枚の印刷が可能なA4カラーインクジェットモバイルプリンタ「PX-S05W(ホワイト)」および「PX-S05B(ブラック)」の2機種を発表した。
価格はオープンプライスで、市場想定価格は、2万円台後半(エプソンダイレクトショップでは27,980円)。発売は9月下旬の予定だ。
重量はバッテリ込みで約1.6kgで、外形寸法は309×154×61mm(収納時、利用時は309×232×217mm)。同社によれば、内蔵バッテリ搭載モデルのインクジェットプリンタしては、国内最小・最軽量だという。
電源はバッテリのほか、ACとUSB給電が可能で、バッテリの充電は、ACアダプタ使用時で、2.5時間。インタフェースはWi-FiとUSB。Wi-Fi Directにも対応し、無線LANルータを使うことなく、スマートフォンやタブレットに接続できる。最大接続数は最大4台。
本体にWindows用簡易ドライバを内蔵し、出先で別なパソコンを利用しての印刷にも対応する。小型ながら1.44インチ液晶を搭載し、インク残量、バッテリー残量を確認できる。また、傾きセンサーを搭載し、45度以上傾けると印刷ができないしくみで、インク漏れを防ぐ。インクは新開発の顔料インクを採用。耐水性、耐マーキング性を高めている。そのほか、自動電源オフ機能も備えている。
主なターゲットは、外勤営業やメンテナンス、出張などモバイルビジネス、およびカウンター、会議室等の省スペース業務用途などのビジネスでの利用を想定している。
小型化にあたっては、「給紙・搬送コントローラーの小型化」 「基盤分割による高密度レイアウト」、「本体フレームのアルミ化による軽量化と強度の両立」を行っている。
セイコーエプソン 業務執行役員 プリンタ事業部 副事業部長 高畑俊哉氏は、「ビジネス利用の基本性能を抑えながら、モバイル性にこだわった商品」と説明した。
今回の製品は同社としては、初のモバイル向け商品となるが、今回発売に踏み切った理由を高畑氏は、「エプソンのプリンタは、コンシューマー向けのインクジェットというイメージがある。いろんなお客様に商品を提供していくという会社の中期方針もあり、ビジネス市場に広げていこうと思った」と説明した。
同社では新規市場進出による拡大、業種展開の強化により、モバイルプリンタ市場年間10万台のうち、半分の5万台の販売を目標にしている。