BI・データ活用ソリューション「Dr.Sum EA」やBI・ダッシュボード「MotionBoard」などを提供するウイングアーク1stでは、ビジネスに必要不可欠な最先端の情報活用術が学べる「情活塾」を定期的に開催している。そして今年も「社外×社内データの分析で変わる!ビジネスの『意思決定』~公共データ、第三者データ、社内データ資産…重ねて見える新しい事実~」をテーマに、名古屋・大阪・東京の3都市での「夏の情活塾」開催が迫ってきた。
愛知県名古屋市のミッドランドスクエアで開催予定のセミナーでは、基調講演で官民でのデータ活用の取り組みや外部データの有効活用例、企業が持つべき視点を、また事例講演で13期連続の成長を続ける京都老舗宇治茶専門店「伊藤久右衛門」のデータ活用事例などが紹介される予定だ。
ここでは、「タブレット活用、超Excel、高速集計……現場力を最大限引き出すデータ活用環境の作り方」と題したセッションを担当する大畠幸男氏に話を聞いた。
地図データによって今まで見えなかった部分を可視化
ウイングアーク1st営業本部 営業企画部 副部長 大畠幸男氏 |
大畠氏は、その内容について「地図データおよびExcelを活用した情報の見える化についてのご紹介がメインとなります」と語る。
まず、地図データについてだが、現時点で実にさまざまなオープンデータの活用が進められているのはご存じの通り。同セミナーの基調講演でも紹介されるが、企業によるビジネス活用だけでなく、総務省でもICT利活用の促進という枠の中でオープンデータ戦略を推進している。こうした数あるオープンデータの中でも、地図データは可視化という面で非常に有用で、なおかつ現場の効率化に役立つ要素といえる。
そこで、より簡単かつ使いやすいように地図データ活用の機能を図ったのが、5月15日に登場した最新版の「MotionBoard Ver.5.0」と、これをベースとしたクラウド型BIダッシュボード「MotionBoard for Salesforce」だ。
本セッションではこのMotionBoard for Salesforceを用いたエリアマーケティングや、マネジャーが各営業担当者の無駄な動きを管理・改善できるような活用方法を解説。SalesforceのデータをMotionBoard上に展開することで、今までデータとしては保有していても見えなかった部分が可視化でき、より良い形での営業活動が行えるという。
Excel主体の現場運用を変えずにデータ活用
今回のセッションで、地図データと並んで重要性の高い話題がExcelの活用だ。ビジネスのクラウド化が加速している現在でも、Excelを使い続けている企業は多い。しかし中には、データ活用を推進するためにExcelの利用をやめ、新たにBIツールを導入するような企業も見られている。こうした現状について、大畠氏は「BIツールを導入するために、現場のExcel運用を止める必要はありません。弊社ではExcelでの作業環境をそのままに、情報の可視化と分析力アップを実現するツールをご用意しています」と語る。
このツールを使うと、Excelファイルを保存したタイミングで自動的にデータをMotionBoardへ取り込むことが可能。データを毎回手動でアップロードしたり、ETLツールを用いてBIデータベースへ保存するといった手間も一切不要だ。大畠氏は「現場の運用を変えてしまっては、オペレーションが変わり業務効率も落ちるため意味がありません。Excelが現場を支えているのであれば、その運用をそのままにマネジメントで求められる情報の見える化と融合する、というのがベストな形です」と語る。
データ活用ができていない企業は7割以上
「弊社のBI製品セミナー参加者全体で見ると、そもそもデータ活用自体をできていないお客さまがまだ多いという現状があります」と語る大畠氏。実際、ウイングアーク1stが開催しているセミナーのアンケートでは、7割以上が「まだ企業内でデータを分析するという文化がない」「データ活用の取り組みを行っていない」といった結果が出ているそうだ。また、データ活用を行っている企業でも、分析やレポート作成を情報システム部門や外部に依頼し、その結果だけを見ているケースは少なくない。
大畠氏は「本当の意味でデータ活用を推進するには、こうした仕組みから変えていく必要があります。課題は現場の中で発生するものですから、分析やレポート作成を外部に依頼するのではなく、課題を抱える人々が現場の中で解決できる、自分たちが使いやすい仕組みを構築する。これが経験と勘を活かしたシステムにつながるわけです」と、データ活用を進める上でのスタンスについて語る。
最近はビッグデータの注目度が上がっているが、それ以前にデータ活用のシステム的な基盤、そしてなによりデータを積極的に活用しようという企業内のマインドや文化が醸成されていなければ、せっかくのビッグデータも“猫に小判”といったところだろう。
現場を意識した製品作りへのこだわり
最後に大畠氏は「弊社では従来から、現場の方々を意識した製品作りを行っています。現場の方が積極的にデータを扱える環境ができれば新たに見えてくるものが増え、活用の場も増加するはずです。もちろん現場だけでなく、パートナー企業や情報システム部門など、現場の方々に対する推進者・支援者が現場と一緒に物事を進めていくことで、より現場のデータ活用が活性化されます。今回のセミナーではひとつの取り組みとして弊社の製品や事例をご覧いただき、その中で新しい発見があれば大変うれしく思います」と、セミナー参加者への熱い思いを語ってくれた。
今回紹介した内容だけでなく、本セッションでは実際の製品を用いたデモやMotionBoard Ver.5.0の新機能解説なども行われるとのことなので、興味のある方はぜひ参加していただきたい。