Infineon Technologiesは、第5世代1200V SiCショットキーダイオード「thinQ!」を発表した。

同製品は、高い動作温度でも超低順方向電圧を実現する他、サージ電流耐量は100%以上向上している。また、ショットキーのセルフィード内でpn接合を結合する技術によって、コンパクトなチップ設計を実現。これにより、チップ面積あたりの抵抗が低くなり、全負荷時に20kHzで動作する3相ソーラーインバータのフロントエンドブースト段では、ダイオード損失を旧世代比で最大30%低減できる。さらに、ジャンクション温度が150℃の場合、順方向電圧(Typ.値)は1.7Vで、旧世代比で30%低い。このため、UPSシステムなど、比較的高負荷で動作するアプリケーションに最適であるとする。この他、スイッチング周波数が低い場合でも、システム効率が向上する。加えて、ダイオードのアンペア定格によって異なるが、サージ電流耐量は、定格電流の最大14倍の定格であり、アプリケーションのサージ電流イベント時には、堅牢なダイオード動作を保証する。これによって、バイパスダイオードが不要となり、複雑性とシステムコストが軽減される。

そして、ブーストおよび力率改善回路(PFC)ブーストトポロジにて、同社の1200V IGBT「Highspeed3」との組み合わせにより、新型1200V「thinQ!」SiCショットキーダイオードを実装することで、システムレベルでもメリットが得られる。従来型のSiダイオードと比較した場合、ダイオードの損失が抑えられる以外にも、ターンオン損失の削減やEMIの軽減によって、IGBT「Highspeed3」のパフォーマンスが向上する。

なお、パッケージは、TO-247、TO-220、DPAK。この他、TO-247パッケージによる、新型40Aダイオードと、陰極を共通とし、インターリーブトポロジでさらなる省スペース化を実現するデュアル構成も提供される。TO-247パッケージ版のサンプル出荷はすでに開始しており、量産出荷は7月に開始する。その他のパッケージの派生製品は、2015年中の提供開始を予定している。