米Facebookは17日(現地時間)、モバイルメッセージングサービス「Slingshot」の提供を米国で開始、iOSアプリとAndroidアプリをリリースした。SlingshotはFacebook Creative Labsが開発したもので、"消える"メッセージングサービスとしてティーンエイジャーに人気のあるSnapchatを意識してFacebookが開発していると報じられていたサービスだ。
Snapchatは送信者が表示時間を設定し、受信者がメッセージを開くと表示時間のカウントダウンが始まり、時間が来るとメッセージが消滅する。メッセージが記録として残ると、後々予想しなかったトラブルを生み出す可能性がある。Snapchatは、その場限りの会話感覚の気軽さが若いモバイルユーザーに受け入れられた。Slingshotは"Snapchatキラー"と呼ばれているが、ユーザーに訴えかけているポイントが異なる。
Slingshotを起動すると撮影画面になる。撮影ボタンをタップすると写真撮影、長押しするとビデオ撮影だ。写真にはテキストまたはドローイングで、ビデオにはテキストで、メッセージを書き加えることが可能。完了したら、友達リストから送信相手を選択、または「Select All」で全員を選んで送信する。
スマートフォンで撮影した写真・ビデオをすばやく共有するサービスという点ではSnapchatと同じだが、メッセージを共有する仕組みがSnapchatとは異なる。届いたSlingshotのメッセージはロックされており、何かメッセージを返さないと開けない。コミュニケーションに参加せず、ただ閲覧するだけを許さないサービスなのだ。アンロックしたメッセージはフルスクリーンで表示され、画面をタップすると画面半分を使ってリアクション写真(React)を撮影・送信できる。スワイプするとメッセージは消滅する。
"消える"メッセージをどんどん消費できるのが特長のSnapchatに対して、Slingshotは近況報告に自分の近況を伝えるというようなコミュニケーションが発生する。交友関係を広げ、深めるというFacebookらしさが込められたメッセージングサービスだ。ただ、アンロックしなければ届いたメッセージを見られないというのは一手間であり、その価値が認められるか、エンドユーザーの反応が注目される。