サイオステクノロジーは6月17日、米国Nginxと販売パートナー契約を締結したことを発表した。Nginxにおける初の海外販売パートナーになるという。契約締結をうけてサイオステクノロジーは、7月1日よりNginxを機能拡張した商用版「NGINX Plus」の販売を開始する。

米Nginx 共同創設者でCTOのIgor Sysoev氏。NginxはSysoev氏が開発したプロダクト

Nginxは、2004年にIgor Sysoev氏が開発したOSSのWebサーバ。ロードバランシング、リバースプロキシ、SSLターミネーション、エッジキャッシュ、メディアストリーミングなどの機能を備え、パフォーマンス/拡張性に優れるという特長がある。この数年で導入数を急激に伸ばしており、今年に入って前年比154%の成長を記録。現在では1億4000万サイトで採用されており、W3Techsの調査によると、世界のアクセス数トップ1000サイトの中でNo.1、トップ1万サイトの中でNo.2(39%)、AWSの中でNo.1(36%)のシェアを誇るという。

今回サイオステクノロジーがサポートを開始するNGINX Plusは、そのNginxに対して各種の機能を追加した有償版になる。主な機能としては、アプリケーションヘルスモニタリング、アクティビティモニタリング、ライブコンフィギュレーション、高度なロードバランシング、高度なキャッシュ管理が挙げられている。

NGINX Plusの主な機能

米Nginx CEOのGus Robertson氏

加えて、NGINX Plusには開発チームによる、SLAを担保した導入サポートを受けられるという特徴もある。米国では、昨年8月のリリースから現在までの10ヶ月で約200社が契約に至っており、「うち約半数はサポートを目的とした企業」(Robertson氏)だったという。

サイオステクノロジーでは今後、同社のパートナーを通じてNGINX Plusを販売していく。販売形態は年間サブスクリプションモデルで、価格はオープン。サイオステクノロジーでは、実勢価格を数十万円台の前半になると見込んでいる。

また、同社は国内のNginxユーザーコミュニティの育成支援も展開していく考え。6月18日に第1回のユーザー会を開催予定で、ユーザー会では、日本からのリクエストを伝えたり、開発者間の連携を促したりしていくという。

左からサイオステクノロジー OSSテクノロジーセンター長の黒坂肇氏、Sysoev氏、Nginx 共同創設者でDirector of Business DevelopmentのAndrew Alexeev氏、Robertson氏、サイオステクノロジー 代表取締役社長の喜多伸夫氏