計測機器大手Agilent Technologiesと米Cascade Microtechは、半導体ウェハRF(高周波)測定ソリューションの提供において提携したと発表した。この提携により、統合されたシステム構成、設置、サポートの3つを保証する「保証型ソリューション」を提供していくとしている。

半導体ウェハRF測定システムの構成決定は、困難で時間のかかる作業である。多くの場合、複数のベンダーから機器を購入し、現場でユーザーがシステムを組み上げ、動作検証を行っている。中には、高精度のDC測定や難しいRF測定が必要となり、測定システムの稼働までに時間がかかる場合も多く見られる。両社が提供するウェハレベル測定ソリューション(WMS)は、統合されたシステムとして提供するため、システムの導入から測定が可能となるまでの時間を大幅に短縮できる。

同ソリューションは、Cascadeのウェハプローブステーション、プローブ、校正ツールと、Agilentの測定機器および解析ソフトウェアを組み合わせたものである。事前に確認・検証された構成の中で、ユーザーの要求に合ったシステムが提供される。設置はCascadeのスタッフが行い、再度、ユーザーに約束した検収条件に基づいて検証を行う。現場での検証は、従来は契約内容により、実施する場合としない場合があった。同ソリューションは、保証型構成となっているため、万が一、不足するパーツがあった場合には、AgilentまたはCascadeが無償でそのパーツを提供する。

また、両社はソフトウェア開発でも協業してきた。Agilentの「WaferPro-XP」は、Cascadeの新しいプローブステーションコントロールソフトウェア「Velox」と組み合わせることにより、統一されたユーザーインタフェースでの操作が可能となる。さらに、Sパラメータ、DC-IV/CV、雑音指数測定、1/fノイズ、利得圧縮などといった多様な測定ニーズに対応したウェハテストプログラムを開発できる環境も同時に提供する。各ソリューションとも、オンウェハ測定に精通した各地域のソリューションエキスパートがサポートする。サポートについては、Cascadeが一次窓口となる。

両社のウェハレベルRF測定ソリューションは様々な形態で提供可能となっている。セミオートプローバやマニュアルプローバを含めたフル構成から、既存の資産を活用したアップグレードのみの提供も可能となっている。研究開発におけるデバイス特性評価向けのソフトウェア「WaferPro-XP」を、既存のウェハレベル測定ソリューションに追加することもできる。価格は個別見積りとなるとしている。

AgilentとCascadeが提供するウェハレベル測定ソリューション