ローデ・シュワルツ・ジャパンは6月16日、ベクトルシグナルジェネレータ「R&S SMW200A」シリーズの20GHzモデルを発表した。
「R&S SMW200A」シリーズは、高いアナログ性能によるパフォーマンスと、タッチパネルの直感的なGUIが評価されている。今回、さらに高い周波数の要求に応えるため、対応周波数を20GHzまで拡張させた。これにより、航空宇宙/防衛産業のアプリケーション、例えばフェーズドアレイアンテナに有効であるとしている。フェーズドアレイアンテナの調整には位相が同期した信号が必要となる。一般的に20GHzまでの2系統の位相が同期した信号を出力するには2つのシグナルジェネレータを用意し、リファレンス信号、ローカル信号の共有など信号源同士のケーブル接続を行う。さらに、ケーブルの長さを考えた細かい調整も必要だった。これに対し、「R&S SMW200A」では、ボタン1つで簡単に2系統の位相が同期した信号が出力可能。これまで熟練の作業者が行っていた設定の手間を省き、誰でも簡単に位相が同期した信号を出力できるようになる。これにより、信号源の接続の問題、作業時間と手間を減らせる。
また、4つのベースバンドジェネレータを内蔵し、160MHzという広い変調帯域幅で0.05dBという優れたフラットネスを実現している。加えて、周波数が拡張されたことによって広帯域のベクトル変調信号の出力が20GHzまで可能となった。これにより、今まではベースバンド信号源とアップコンバータを必要とした測定系もシンプルにすることができ、2つの信号源を必要とした希望波と妨害波の試験も「R&S SMW200A」1台でできるようになる。 この他、各ポートの出力周波数を3/6/20GHzから選択でき、目的に沿ったより柔軟な構成が可能となっている。