日立製作所は6月16日、金融機関と企業間の口座振替データの授受に関するシステム運用をクラウド環境で実現する「日立データ交換サービス」を金融機関向けに提供開始した。

現在、金融機関では、口座振替業務のBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)が強化される一方、企業から金融機関の口座振替データの授受には、多くの入出力装置の生産が終了している記録媒体、専用のファームバンキングソフトウェアによるデータ伝送が主に利用されている。

このため、記録媒体や専用のソフトウェアを利用する必要がない、口座振替データ運用へのニーズが高まっている。

こうした背景を踏まえ、同社は日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」の金融機関向けサービスの1つとして、「日立データ交換サービス」の提供を開始した。

同サービスは、金融機関における記録媒体の授受管理や読み書き、データのチェックなど、口座振替業務の運用に必要な機能をクラウドサービスとしてワンストップで提供する。

「日立データ交換サービス」の仕組み

インターネットを利用することで、記録媒体の授受を行うことなく、企業が日立のデータセンター上で金融機関と直接、口座振替データのファイルをやり取りすることも可能となる。

また、同サービスを導入している金融機関が連携すれば、災害や障害などの非常時に記録媒体の処理拠点を相互利用することが可能となり、BCPが強化される。

同機能は、ビッグデータの戦略的活用を支援するソリューション「vRAMcloud」を活用し、同社が提供している融機関向け外部ファイル伝送機能の約20倍に当たる約100万件の大量の明細の授受を実現する。