閲覧してみたいと思うWebサイトのデザインは?

Webデザインにはめまぐるしく移り変わるトレンドがあり、Webデザイナーたちは日々情報にアンテナを張り巡らせながら、流行のデザインやレイアウトを追いかけています。例えば、複数の画像のスクロールする速さをずらすことで目の錯覚を起こさせる「パララックス(視差)効果」を用いると、目の錯覚で画面に奥行きがあるように見える手法です。

Webデザインは、Webサイトを訪れるユーザーに驚きや感動、そして使いやすさを提供するためのものですが、外国の人々はどんなWebサイトに魅力を感じているのでしょうか。今回は、日本在住の外国人20名に「閲覧してみたいと思うWebサイトのデザイン」を聞いてみました。

■シンプルで、読みやすいもの。(イタリア/30代後半/女性) ■あまり細かくなく、シンプルなものだったら見る。(ブラジル/50代前半/女性) ■シンプルで見やすいサイト。(インドネシア/30代後半/男性) ■シンプルで読みやすいサイト。(スペイン/30代後半/男性) ■興味深くシンプルなもの。(イギリス/40代後半/男性)

最も多かったのが、「シンプル」なものという回答。能動的に情報を集めるために利用されることが圧倒的に多いWebサイトには、情報のわかりやすさ、見やすさが求められていることが見受けられます。ベクター素材を扱うゲッティ イメージズの担当者によれば、iOS7から採用されたフラットデザインが及ぼした影響は大きく、画像素材の潮流にも影響を与えているのだとか。それまでの立体的でリッチな印象の傾向とは相反する、平面的で要素をそぎ落としたデザインに、人々が慣れ始めているのかもしれません。

■字が少ない。(韓国/40代後半/男性) ■漢字が少なく見やすいもの。(インドネシア/30代前半/女性) ■テキストが少なく、情報の重要性が高いもので、ウェブサイトのナビのロジックが優れているもの、ウェブサイトを通して購入、申請などがメリットがあれば、ウェブサイトを見ます。(ロシア/20代後半/女性)

また、「文字の少なさ」を求める声もありました。Webサイトには紙面よりも多くの情報を詰め込むことができるため、発信側が「伝えたい」情報を詰め込んだものが多くなりがち。ですが、液晶画面で長い文章を読むのは難しいと感じる人も多くいるようです。

母国語が日本語である日本人でもそう感じるのに、外国から来た人々にとっては、Web上の文字数は多く見えがちなのかも……。利用者は文字を読むためではなく、情報を得る、あるいは買い物などの目的を達成するために訪問していることも忘れないようにしたいものですね。

■情報が豊富に掲載されるが、分かりやすいようにデザインされている。さっと見ても、要点が分かるようなサイト。Googleですぐ検索できるサイト。(ベトナム/30代前半/女性) ■スマートさとユーザビリティの高いサイトでしたら使いたいと思います。(フランス/30代後半/男性)

「Googleですぐ検索できる」というコメントからも分かるように、やはり検索エンジンの上位に表示されるWebサイトの訪問率は高くなります。Googleでは「ページランク」アルゴリズムによって、注目に値するWebサイトを上位に表示するようにしています。Webサイトの運営を行っている企業であれば、必ず気にしているのがこのページランク。目に見える部分だけでなく、注目されやすいページ作りも"デザイン"されているんです。

また、フランスの男性は、ユーザビリティーの高さとかっこよさを両立したWebサイトを利用したいとのこと。「使える」だけでなく、「使いたい」と思わせるWebデザインが求められているようですね。

■明るい色。使いやすいもの。(オーストラリア/40代前半/男性) ■色が素敵、わかりやすく、明確なサイトです。(スウェーデン/40代後半/女性)

最後に紹介するのは、色使いについてのコメント。Webデザインにおいて、色が与える印象は大きいもの。かわいい/かっこいい、大人っぽい/子供っぽいなど、色だけでそのサイトの利用者層をイメージさせることもできてしまいます。ここではどちらも明るい色を好む方の回答ですが、利用者や掲載する情報にあったイメージの配色は大切です。

Webデザインというと最先端の表現を想起しがちですが、ユーザーの"利用しやすさ"が第一に挙げられる結果となりました。利用しやすいWebサイト、と言うのは簡単ですが、作るのはとても難しいもの。発信したい情報を確実にとらえたうえで、ユーザーの声を聞きながら作るWebデザインの難しさは変わりませんが、外国人の方々の率直な声は参考になりそうです。