Texas Instruments(TI)は6月11日、オンライン設計支援ツール「WEBENCH Power Designer」の新機能として、電源プリント基板(PCB)の迅速なレイアウトと、レイアウトデータの主要なCAD開発プラットフォームへのエクスポートを可能にした「WEBENCH PCB Export」を発表した。
プリント基板レイアウトは、電源回路設計の中でも困難な課題の1つとなっている。これまで、アプリケーションノート、リファレンスレイアウトの手作業でのコピー、基板レイアウトは個人的な判断に依存してきた。しかし、基板レイアウトを適切に行わないと、望ましくないノイズや発熱の問題が発生し、設計を何度もやり直す必要があった。
WEBENCH Power Designerは、複数の設計アルゴリズムを活用し、ノイズや発熱の問題を最小限に抑えながら、カスタム化プリント基板レイアウトを迅速に作成できる。WEBENCHツールにより、ボタンをクリックするだけで各部品の基板占有面積データの利用も可能な形で、電源回路の設計を完了できる。
さらに、今回のWEBENCH PCB Exportを使えば、産業機器、車載、通信などの用途の電源回路設計の際に、電気的特性と熱特性のシミュレーションを行い、電源回路のプリント基板レイアウトを作成した後、設計データをAltium、Cadence Design Systems、CadSoft Computer、Mentor Graphics、RS Componentsの各CADプラットフォームへエクスポートできるようになった。WEBENCH Power DesignerとPCB Exportは、プリント基板レイアウトの設計所要時間を分単位にまで劇的に短縮するとともに、ノイズと発熱の問題を解消する最適なレイアウトの作成を実現できるとしている。