東陽テクニカは6月10日、米Fluke Networks製でLTE/VoLTEネットワークのパケットキャプチャ/解析に対応したポータブル型大容量ネットワークアナライザ「Network Time Machine LTE/VoLTE」バージョンの出荷を開始したと発表した。

「Network Time Machine」シリーズは、ネットワークからキャプチャしたトラフィックを直接大容量ディスクに書き込んでいく、大容量ネットワークアナライザである。1G/10GbEネットワークの回線上を流れるトラフィックを内蔵の大容量のディスクに長時間にわたり保存し、ネットワーク通信障害が発生した際に問題のパケットデータを抽出し詳細な解析を行うことができる。通信事業者、データセンターをはじめ数多くの企業や官公庁に採用され、ネットワーク障害解析や通信品質低下などの解析に活用されてきた。

今回の「LTE/VoLTE」バージョンは、各携帯通信事業者によりサービスが提供されている高速LTEコアネットワーク上のIPアプリケーショントラフィック、および今年度より各携帯事業者よりサービスが開始されるVoLTE音声トラフィックのキャプチャ/解析機能に対応。携帯基地局まわりのモバイルバックホール、LTEコアネットワーク(EPC)、およびIMS音声通信基盤にわたる通信上の問題特定を迅速化することができる。

「LTE/VoLTE」バージョンには大量のキャプチャデータの解析を効率化し、障害切り分けの時間と工数を削減できる各種機能が搭載された。LTEパケット解析機能は、LTE EPC上の主要インタフェースに対応し、キャプチャポイントの接続インタフェースを自動識別する。別々のインタフェースからキャプチャした制御パケットおよびデータパケットを携帯端末識別情報(IMSI、電話番号など)でフィルタして関連付けを行い、一連の通信シーケンスを同一画面上にラダー形式で表示することができる。3G/4Gハンドオーバーの解析にも対応する。

VoLTE解析機能は、LTEネットワーク上で高品質な音声通話サービスを提供するVoLTE通信の解析に対応した。電話がつながらないなどの問題の際に、通話相手への接続に関わる制御信号パケットの流れや手順を視覚化し、問題特定を迅速化することが可能。また、音声データパケットを測定することで、音声品質をMOSやR値の指標に沿って数値化することができる。

大容量&ハイパフォーマンスキャプチャは、データ保存領域を最大480TBまで拡張可能なラックマウントモデルと、ディスプレイ/キーボード一体型で持ち運びが容易なポータブルモデルがあり、用途と予算によりモデルを選択することができる。また、20Gbpsレート(10Gbps×2ポート)の連続キャプチャ性能を実現し、障害発生頻度の高い過負荷環境でもパケットをロスすることなく、大容量ストレージに連続パケットキャプチャを行うことができる。

なお、価格は3500万円(税別)で、同社では、携帯通信事業者やMVNO事業者向けに年間15式の販売を目指すとしている。

LTE/VoLTEネットワークのパケットキャプチャ/解析に対応したポータブル型大容量ネットワークアナライザ「Network Time Machine LTE/VoLTE」バージョン