IDTは、ワイヤレス製品向けに低消費電力と高い線形性を提供するIQモジュレータ「IDTF1650」を発表した。

同製品は、高性能でデュアルなD/Aコンバータ(DAC)に直結し、最大50%の消費電力を削減するとともに、競合製品と比べてIM3歪みを最大12dB低減する。このため、低い消費電力が要求されるLTEのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)ワイヤレス通信システムに最適となっている。

一方で、標準的なマルチモード対応・複数キャリア対応の基地局トランスミッタでは、モジュレータの線形性が低く、消費電力が高いため、デジタルプリディストーション環境でシステムの隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)を悪化させ、消費電力がさらに上昇するという課題がある。こうしたマイナスの影響に対しては、独自のZero-Distortion技術を搭載し、60dBmの2次インターセプトポイント(OIP2)と、35dBm3の3次インターセプトポイント(OIP3)を500mWの低消費電力で実現することで回避している。

この他、MIMOに実装することにより、消費電力が最大で4W削減され、スペクトル性能が向上し、エラーベクトル振幅(EVM)が改善する。さらに、線形性が高く、低い付加ノイズで3dBの電力利得を提供し、一般的なJESD204BやDDR DACと直接接続できる。

なお、パッケージは4mm角の24ピンVFQFPNが採用されている。

IDTのワイヤレス製品向けに低消費電力と高い線形性を提供するIQモジュレータ「IDTF1650」のパッケージイメージ