ヤフーと河北新報社は6月10日、宮城県三陸沿岸の2市2町で行なわれるサイクリングイベント「ツール・ド・東北 2014」のエントリー受け付けを開始したと発表した。同時に、公式サイトもリニューアルしている。

「ツール・ド・東北」は、東日本大震災の復興支援と震災の記憶を未来に残すことを目的として、2013年に続き2度目の開催となる。2013年の募集人員は1500名だったが、より多くの人に参加してもらえるよう2014年は3000名に定員を増加。また、気仙沼を折り返し地点に設定した「気仙沼フォンド(220km)」を新たに用意した。

気仙沼フォンドを含め、60kmの「女川・雄勝フォンド」、100kmの「北上フォンド」、170kmの「南三陸フォンド」と4コースを用意。また、2013年に多くのリクエストがあった「チーム申込み」も新たに用意している。

開催日は9月14日で、スタートが5時30分、全フォンドの終了予定時刻は17時30分。スタート・ゴール地点は石巻専修大学を予定している。参加費は、気仙沼フォンド(220km)が1万6200円(以下すべて税込)、南三陸フォンド(170km)が1万1880円、北上フォンド(100km)が9720円、女川・雄勝フォンド(60km)が7560円。

また、「ツール・ド・東北 チャリティーライダー」プログラムが用意されており、「ツール・ド・東北基金」への寄付を含む参加料を支払うことで抽選無しで出走枠が得られる。参加料は5万4000円で、エントリー参加料相当額を差し引いた金額が「ツール・ド・東北基金」への寄付となる。定員は100名で先着申込みの予定だ。

実際に大会へ参加するだけではなく、ボランティアクルーへのやネットを通じた参加方法も用意。

ボランティアは「ツール・ド・東北 クルー」への参加申込みが公式サイトから行える。なお、ボランティアクルーへの応募によって、来年以降の優先参加権が付与される予定だという。

ネット参加は、現地で参加できないユーザー向けに提供されるコンテンツで、ネットを通じてそれぞれが自転車で日本各地を走った距離の投稿を行なう。総走行距離を参加者全員で蓄積していき、「みんなで復興ライド」として、蓄積された走行距離が目標値を達成すると、様々な商品が東北の復興支援のために寄付される。

ほかに、「ツール・ド・東北 パラサイクリングプロジェクト supported by SUNTORY」として、サントリーホールディングス協力のもと、障害自転車競技者のパラサイクリスト10名が「女川・雄勝フォンド」に参加する。

大会開催時には、エイドステーション(補給拠点)ごとに各地域の旬の幸が提供されるほか、地元のお宅に止めてもらう「民泊」(無償)の提供、地元商店と参加者の縁を結ぶ「ツール・ド・東北 応"縁"団」といった企画も用意されている。

220kmコースを走りますと宣言した道端カレンさん

同日、ヤフーと河北新報社は都内のヤフー社食「BASE6」で記者会見を開き、ヤフー 取締役社長 宮坂学氏や河北新報社 代表取締役社長 一力雅彦氏、ツール・ド・東北 フレンズとして広報大使に就任しているモデルの道端 カレンさん、東北応援大使としてサントリーホールディングス CSR推進部に所属し、パラリンピアンの佐藤 真海さん、スポーツジャーナリストの中西 哲生さん、スポーツナビゲーターの白戸太朗さんが登場した。

ヤフー 宮坂氏は最低でも10年やろうとの目標を掲げて始めた「ツール・ド・東北」の理念を振り返った上で「同じ事を毎年繰り返しても仕方ない。復興と歩みを同じくして新たなことをやりたい」として、参加人員の倍増と、走行可能距離の延長をアピール。ただ、どちらの取り組みも物足りないようで、参加人数の更なる増加と、被災地沿岸の約400km全てのコース化に引き続き取り組みたいと話した。

広報大使の道端カレンさんは、昨年の最長距離コース160kmを走破。今年の最長距離220kmへ挑戦するか問われると「最後までニコニコ元気で走れるように頑張りたい。ぜひ、気仙沼のフカヒレを食べられたら」と、トライアスロン大会へ出場するアスリートの側面を見せていた。

また、パラリンピアンの佐藤さんは気仙沼の出身で「昨年は『気仙沼までコースを延ばしてほしい』とお願いしたら、願いが叶った。ぜひ、多くの方に走っていただきたい」と語ったほか、中西さんは「昨年は60kmを走ってみて『こんなに辛いものなのか』と思った。その一方で、美しい自然やエイドステーション(補給拠点)で素晴らしい食事ができた。この取り組みは日本が一つになれる素晴らしいイベント。6年後の東京オリンピックでは、世界の方々が日本に来る。10年続けていくこの大会に、そのような海外の方々が参加できるような大会にできれば」と夢を語っていた。