キリンは6月9日、小岩井乳業と共同で、「プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis JCM5805株)」の長期摂取による寿命延長効果および老化形質抑制効果を確認したと発表した。
同成果の詳細は、「第14回抗加齢学会学術集会」で発表された。
今回の試験では、老化促進マウスを、標準食を餌とする「標準食群」と標準食にプラズマ乳酸菌(JCM5805株)を加えた餌を摂取させる「プラズマ乳酸菌(JCM5805株)群」の2群に分け、5週齢から82週齢まで飼育し、寿命延長に関して免疫系の活性化度および生存率を評価したほか、肝臓の病理解析および遺伝子発現量の解析を実施したという。
また、老化抑制に関して、老化スコア(毛つや、行動など)を隔月で評価し、皮膚について表皮の厚さの測定を行ったほか、筋肉の重量測定を行ったという。
その結果、「プラズマ乳酸菌(JCM5805株)群」は「標準食群」と比較して、82週齢時点での生存率および感染防御機能を司るプラズマサイトイド樹状細胞の活性化度が有意に高いことが確認されたとするほか、肝臓の病理解析において炎症症状の発生率低下が観察され、遺伝子発現量解析により肝臓局所におけるSAA1(血清アミロイド蛋白)などの炎症に関連する遺伝子の発現が抑制される傾向を確認したとする。
さらに、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取によって老化スコアの有意な改善も認められたほか、皮膚表皮が薄くなることや筋肉量減少のような老化現象の進行を緩和することも確認されたとする。
今回の結果に関して、研究グループでは、マウスの自然死の原因の1つとして、肺や肝臓などで起こる過剰な炎症が考えられているが、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)の摂取により、免疫系が活性化され、それにより体内での累積炎症頻度が低下され、生存率の向上に繋がったと考えられるとするほか、このような炎症緩和効果が、加齢に伴う毛つや・表皮・筋肉の老化現象を抑制することにも繋がったと考えられると説明している。
なお、同社では今後、乳製品をはじめ、グループの商品などへの応用と合わせて、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)のさらなる有効性の解明を目指していくとしている。