NTTドコモは6月10日、SIMカードが入っていないスマートフォン(スマホ)やタブレットにかざすだけで回線認証を実現し、電話やメールなどの携帯電話機能を利用可能にする小型認証デバイス「ポータブルSIM」を開発したと発表した。

「ポータブルSIM」は、内部にSIMカード、Bluetooth、NFCを搭載した約80mm×40mm×5.6mm、重量約20gの小型認証デバイスで、SIMカードの入っていないスマホやタブレットにかざすと、Bluetoothを介した認証が行え、SIMカードを抜き差ししなくてもネットワーク接続を行うことを可能とするもの。

これにより、例えば、SIMカードが挿入されていないタブレットAにかざすと、タブレットAで電話、SMS、メールなどが利用可能になるが、続いてSIMカード未挿入のスマホBにかざすと、タブレットAの画面にはロックがかかり、同じ番号のままスマートフォンBで各種携帯電話機能が利用可能になるという。また、2台用意して、1つのスマホをプライベート用・ビジネス用など、利用ニーズに合わせて、使い分けることができるようになるという。

さらに、「ポータブルSIM」は、SIMカードのセキュリティ領域を利用して、ID・パスワードを保存することができることから、ショッピングサイトなどを利用する際、ID・パスワードを自動的に反映させることも可能だという。

なお、「ポータブルSIM」の機能を利用するためには、スマホ・タブレットを特別な仕様に対応させる必要があり、現在市販されている機種では対応していないという。今後、同社では、「ポータブルSIM」のさらなる小型化・薄型化などの開発およびサービスとの検証を進め、商用化を目指すほか、パソコンやテレビ、音楽プレイヤー、車などのスマホ・タブレット以外の機器とも連携させ、ID認証や回線認証を活用したサービスや商品の提案を目指すとしている。

「ポータブルSIM」

「ポータブルSIM」の活用例