ON Semiconductorは、工業用通信規格「HART(Highway Addressable Remote Transducer)」の実装に対応したモデム・ファミリとして、1チップCMOSデバイス「NCN5193」を発表した。
同製品は、1200Hzから2200HzまでのBell202シフト周波数をサポートし、1200bpsの半二重データ・レートの供給が可能なほか、ビルトイン・パワーアンプ、17ビットΣΔ DAコンバータ(DAC)、迅速に反応するウォッチドッグ機構を備えることで、コスト効果と省スペースを実現しつつ、高度なHARTソリューションの提供を可能としている。
また、3V~5.5Vの電圧範囲を備え、システム・クロック動作時のスタンバイモード消費電力は190μA(クロック非動作時は76μA)を実現しているほか、電力バジェットを最小にするために、ICが送信フェーズ中は受信回路がDisableされ、同様に受信プロセス中には送信回路がDisableされる機構を採用している。
動作温度範囲は-40℃~+85℃で、高集積度を実現しているため、ごく少数の外付け部品のみでシステムを構築することが可能。また、評価ボードには動作に必要なすべての外付け部品が含まれており、HART実装設計を容易に行うことができるようになっているという。
なお、同製品はすでに32ピンQFNパッケージで提供されており、1万個注文時の単価は2.31ドルとなっている。