STMicroelectronicsは、医療用センサ、フィットネスモニタを含む、IoT(Internet of Things)やウェアラブル機器といったアプリケーション向けに高精度な小型ゼロドリフトオペアンプファミリ「TSZ」シリーズを発表した。

同製品は、25℃時に1μV(typ)の入力オフセット電圧と30nV/℃の温度ドリフトを特徴とし、フロントエンドの信号処理や電源回路の電流測定などに最適となっている。この小さい入力オフセット電圧と温度ドリフトがトリミングや補償回路を不要とし、部品点数と製造コストを低減する。また、高温下でのシステム性能の低下を防ぐことができるため、最終製品の保証温度範囲で安定的な動作が可能になる。さらに、スピードと消費電力の優れたバランスや、高い精度と安定性を特徴としており、バッテリで駆動する様々なIoT機器のセンサおよび制御インタフェースに最適となっている。

同ファミリはシングルチャネルの「TSZ121」、デュアルチャネルの「TSZ122」、クアッドチャネル「TSZ124」で構成されている。この他、高精度オペアンプには「TSV711」や「TSV731」といった標準的なオペアンプもあり、広範なシステムおよびアプリケーションに対して柔軟な選択ができる。これらのCMOSオペアンプ製品は、1.8Vからの低電圧動作が可能で、消費電流が40μA未満(5V時)、利得帯域幅積が400kHzで、超低入力バイアス電流を実現している。

なお、パッケージは、「TSZ121」がSC70-5またはSOT-25Lで提供され、競合製品とピン/パッケージの互換性を有する。「TSZ122」は、一般的なMiniSO-8およびSO-8に加え、2mm角のDFN8でも提供される。「TSZ124」は、TSSOP-14および3mm角のQFN16で提供される。価格は、1000個購入時で「TSZ121」が約0.95ドル、「TSZ122」が約1.24ドル、「TSZ124」が約1.62ドル

STの小型ゼロドリフトオペアンプファミリ「TSZ」シリーズ