日立製作所は6月9日、産業分野を中心に、人やモノの位置や動きを正確に把握し、工場や倉庫での業務効率向上や災害時の対応などを提案する「位置情報コンサルティングサービス」を開始したと発表した。
同社はGPS・準天頂衛星などの衛星測位活用技術、「IMES」や無線LANなどを用いた屋内測位技術、「GIS」や衛星画像を活用した地図関連技術、そしてそれらに関するビッグデータの分析技術など、屋内・屋外での位置情報の利活用を推進してきた。例えば、関連機関と連携した商業施設や鉄道施設、物流倉庫、工事現場など屋内・屋外における実証実験では、利用者の動線の分析や設置物のレイアウトの最適化などを実施。また、博物館での実証実験を衛星測位利用推進センターなどと共同で実施し、多くの実績とノウハウを蓄積している。
今回、新しく開発したサービスでは、工場や倉庫における製品の配置や移動状況、それに伴う作業者の動線を正確に把握することで作業時間の短縮や安全管理の向上を図ったり、建物内における災害時の避難経路の算出など、測位技術を利用した安全性の向上を提案したりする。これにより、顧客の業務環境に適した提案を行う目的から、同社の保有技術だけでなく幅広い位置情報関連技術を利用し、顧客の業務効率化や安全管理などの支援を行っていく。