ヴァイナスは6月6日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した圧縮性流体解析ソフト「FaSTAR」ならびにメッシュジェネレータ「HexaGrid」の技術供与に関する契約を締結したと発表した。
FaSTARは航空機空力特性評価向けにJAXAが開発した圧縮性流体解析ソフトで、今回の商用化にあたり、同社にてさまざまな業界の製品設計・開発部門におけるCFD解析設計業務での適用に向け、最適設計における機能拡張などを含む高機能化を行った後、2014年11月1日より販売を開始する予定だとする。
機能拡張の具体的な内容としては、CPUコア数・ジョブ数に依存しないライセンス料金体系を設定することで、ライセンス料金負担を軽減するほか、数百万メッシュ以下の小中規模モデル解析における数時間以下での解析の実現、CADモデル作成・メッシュ作成から解析・結果処理・図面化まで1台のPCでの作業の実現、形状モーフィング・最適化解析と組み合わせた設計目的に応じた最適化設計パッケージの提供などとなっている。
なお同社では、航空宇宙、自動車、重工業などを中心に高機能化版FaSTARおよびHexaGridを高機能化したメッシュ作成ソフトを販売していくとしており、2014年度で10ライセンス、2015年度で30ライセンスの販売数を見込むとしている。また、メッシュ作成ソフトは現在各業界で活用されている流体解析用高品質メッシュジェネレータの「Pointwise」にモジュールとして組み込み、高機能化版FaSTAR専用のGUIメッシュ作成ソフトとして販売することも予定しているとする。