QNX Software Systemsは6月4日、車載音響ミドルウェア「QNX Acoustics for Voice 3.0」を発表した。

同ミドルウェアは、2000万台以上の自動車で搭載実績のある音声技術をベースとし、ハンズフリーおよび音声認識システムにおいて、エコーキャンセラ、ノイズ抑制、アダプティブイコライゼーション、自動ゲイン制御をはじめ、ナローバンドおよびワイドバンド音声処理のためのさまざまな機能が提供される。また、テレフォニー、VoIPサービス、音声認識に向けた最新のスマートフォンプロトコルにおける厳しい音声品質要件に対応するWideband Plus音声処理をサポートしている。

具体的には、高効率音声処理の最新アルゴリズムにより、ワイドバンドおよびWideband Plus音声を処理する際に使用するCPUサイクルが少なくなるため、他の音響アプリケーションまたはインフォテイメントアプリケーション用でより多くのCPUサイクルを利用することができる。また、パラメータ調整のための幅広い診断ツールセットが含まれるソリューションにより、開発時間が短縮される他、エキスパートの実地派遣サービスを提供しており、顧客の車載ソリューション調整を支援する。

さらに、自動車環境で必要とされるグレードのエコーキャンセラとノイズ抑制(AEC/NR)をフルデュプレックスハンズフリーおよび音声認識システムの構築に使用できる。加えて、クラウドで実行されるもの、スマートフォンを介してアクセスするもの、車内組み込み型など、さまざまな音声認識システムで使用できるソリューションとなっているのに加え、多様なOS、プロセッサ、DSPで実行できるため、複数の自動車ラインアップ間で機能を移行させることができる。

この他、標準ライブラリでは、ナローバンドを8kHz、ワイドバンドを16kHzのサンプリングレートでサポートしている。プレミアムライブラリでは、前述のバンド幅をサポートするとともに、より広いオーディオ周波数のWideband Plusを24kHzのサンプリングレートでサポートしており、自動車向けの最新スマートフォンコネクティビティプロトコルの音声処理要件に対応する。そして、ハンズフリーシステム向けのVerband der Automobilindustrie(VDA) ITU-T P.1100、およびITU-T P.1110仕様に準拠している。

なお、「QNX Acoustics for Voice 3.0」は、2014年第3四半期のリリースが予定されている。