CA Technologiesは6月5日、DevOpsの実現するソリューションとして、開発したアプリケーションをテスト環境や本番環境に配布する「デリバリー」ソリューション「CA LISA Release Automation 5.0」を、同日より国内で販売開始すると発表した。

すでに提供中のcaDevcenter製品群のサービス仮想化支援ソリューション「CA LISA Service Virtualization」やテスト支援ソリューションである「CA LISA Test」に、「CA LISA Release Automation」を追加することで、包括的なDevOpsソリューションを提供する。 

DevOpsは、Development(開発) とOperations(運用)を組み合わせ言葉で、両者が連携しなから短サイクルでシステムを改善していく手法。

利用者の要望をいち早くアプリケーションに実装し提供することが今日の企業における競争優位性を確立する重要な戦略だが、開発したアプリケーションをテスト環境や本番環境に配布する「デリバリー」作業は、属人性に依存することが多く、デリバリーを行うための期間の長期化や人的エラーによるシステム・エラーを引き起こす原因となっている。

CA Technologies DevOps担当ディレクター 渡辺隆氏

CA Technologies DevOps担当ディレクター 渡辺隆氏は、「DevOpsはここ1、2年注目されており、スタートアップ企業がアジャイル開発により、新しいサービスをどんどん提供していくことに活用されている。ただ、CAは、開発と運用と間に、統合、性能評価、受入という作業があると思っている。また、デリバリーのための環境構築も見落とせないポイントで、かなりの手間がかり、エラーも発生する。そこでCAは統合、性能評価、受入に注力していく予定で、ca DevCenter製品群を提供している。CA LISA Release Automationは、大規模で複雑なエンタープライズシステムにおいて、どのように効果的、自動的にデプロイしていくのかという課題を解決する製品だ」と説明した。

CA Technologiesが考えるDevOpsの工程

デリバリーの自動化は、スクリプトで実行するのが一般的だが、「CA LISA Release Automation 5.0」では、手順をワークフローで定義して実行する。デリバリーの際には、データベースなどのミドルウェアや開発プラットフォームに対して指示することも必要になるが、ワークフロー上で記述するこれらに対する指示(アクション)は、900種類以上あらかじめ事前に定義されている。

ワークフロー

あらかじめ定義されたアクション

また、本番とテストで環境が異なることがほとんどなので、サーバのIPアドレスなど実環境については、ワークフローでは仮の名前で定義し、実環境を記述したマニフェストをワークフローに割り当てることにより解決する。これにより、本番とテスト環境で同じワークフローを利用してデリバリーできる。

実環境を記述したマニフェスト

渡辺氏は「特徴はマニフェストで、付帯情報を論理と物理に分離し汎用モデルとして管理する。そのため、再利用性があり、テスト、本番などさまざまな環境に対応できる」と語った。

また、アプリケーション配布の状況を確認するためのダッシュボード機能も提供する。

ダッシュボード機能

価格(税別)は、管理対象システムあたり32万5,000円。