Analog Devices(ADI)は6月4日、迅速なデザインプロトタイピングとXilinxのFPGAとの相互運用を可能にする、HDLコードやソフトウェアドライバを搭載したFMCモジュール「AD-FMCADC2-EBZ」と、同モジュールに搭載される12ビット2.5GSPS A/Dコンバータ(ADC)「AD9625-2.5」を発表した。
「AD-FMCADC2-EBZ」は、「AD9625-2.5」と入力バラン、電源、ソフトウェアスタックを搭載しており、優れたワイドバンドダイナミック性能と信号処理機能によって、先進的なRFサンプリングアーキテクチャの開発とプロトタイピングを可能にする。また、1.8GHzのアナログ入力信号で76dBcのスプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)を実現した「AD9625-2.5」の優れたワイドバンドダイナミック性能により、競合デバイスに比べ、4倍クリーンなスペクトルをキャプチャ処理できるようになる。
先日発表されたGSPSデータコンバータ「AD9625」シリーズの「AD9625-2.5」は、広帯域RF信号処理ソリューションポートフォリオの最新製品である。ノイズの多いRF環境においても、優れた信号抽出性能を誇り、今までにないレベルでの広帯域幅で、ダイナミック性能を提供する。
また、RF差動ADCドライバアンプ「ADA4961」も合わせて発表した。同製品は、重い負荷を1.5GHz以上まで駆動し、500MHzで-90dBc、1.5GHzで-87dBcのIMD3性能を可能にする。6.8nV/rtHzの低出力ノイズと合わせ、1.5GHzで133dB/HzのSFDR性能を提供し、ダイナミックレンジ対消費電力に対する新しいベンチマークを築けるという。
なお、パッケージは、「AD9625BBPZ.2.5」が12mm角の196ボールBGA、「ADA4961」が4mm角の24ピンLFCSP。価格は、「AD9625BBPZ.2.5」が1000個受注時で625ドル、「ADA4961」が同11.99ドル。「AD-FMCADC2-EBZ」は750ドル。「ADA4961」と「AD-FMCADC2-EBZ」はすでに出荷を開始しているが、「AD9625BBPZ.2.5」は7月からの予定。