MHLコンソーシアムは6月4日、都内で会見を開き、MHL規格の最新板となるMHL 3.0に関する状況説明などを行った。

MHL(Mobile High-definition Link)は、Silicon Imageが開発した携帯機器向け高速映像伝送インタフェース規格。MHLを通じて、高精細なテレビモニタなどと携帯機器を接続し、両者を連動させてコントロールすることなどを可能とするもので、スマートフォン(スマホ)の普及とともに市場を拡大させてきた。

MHLのプレジデントを務めるRob Tobias氏

MHLのプレジデントを務めるRob Tobias氏は、2010年4月にSilicon Imageのほか、Samsung Electronics、Nokia、ソニー、東芝の5社でコンソーシアムを立ち上げ、2014年2月時点で、全世界に対応製品が累計で5億台を突破した。MHL規格の最新板となるMHL 3.0は2013年8月にリリースされた規格で、スマートフォンとテレビなどを接続しHDCP 2.2で保護された4K解像度の動画再生や10W充電機能などが提供される。

「それほど遠くない昔であっても携帯電話は通話が中心だった。しかしスマートフォンの登場により、新たな活用方法が提示された。MHLはそうした新たな使い方に合わせるために生み出された規格であり、従来型の通信機器という役目ではなく、スマートフォンをPCとして使えるように変革させたインタフェースへと成長を遂げてきた」と、これまでのMHLの変遷を振り返った。

MHLコンソーシアムの歩み。MHLを活用することで、PCやテレビなどとスマートフォンが連動できるようになったのが大きなポイントだという

また、「すでに多くのスマートフォンメーカーがMHLを採用しており、2013年にはテレビ/モニターの対応機種が大幅に増加し、色々な楽しみ方ができるようになってきた。また、プロジェクタなどのホームシアター関連製品の対応も進んできており、最近ではソニーなどからGoogle TV向けMHL対応ストリーミングスティックなども発売されるようになってきたほか、車載インフォテインメントへの応用展開も進んできた」(同)と、今後さらに市場が拡大していく見込みであることを強調。MHLを活用することで、さまざまな場所で、スマートフォンの持つ性能を最大限に発揮でき、最高の体験を得ることが可能になるとした。

MHL 1.0/2.0/3.0のそれぞれの概要

すでにMHL 3.0対応製品としてはソニーやSamsungの4K対応テレビのほか、タブレット「Xperia Z2 Tablet」やスマートフォン「Xperia Z2/ZL2」などがすでに市場に提供されており、対応のケーブルもソニーならびにDVDOより提供されているとのことで、「引き続きMHLとして、各業界に対応する形でスペックの向上を図っていく」とし、次世代規格として、さらなる高解像度、高速伝送などへの対応を図っていくとした。

また、対応アプリケーションの拡がりについて同氏は、「コンソーシアムが探すというよりも、アプリケーションベンダの方からMHLを採用して何かを実現する、という流れができている。ストリーミングスティックなどは良い例だし、車載インフォテインメントのほかに、飛行機と接続したり、フィットネス機器と接続したり、というニーズも出てきた。これらはコンソーシアム設立当初は考えられなかったアプリケーションだ」と語っており、今後も、アプリケーションベンダの側から、新たな発想の製品やソリューションが生み出される可能性があるとしていた。

MHLを活用することで、これまで考えられなかった新たなアプリケーションも生み出されるようになってきた