パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は6月3日、デジタルサイネージや電子黒板、パソコンなどのディスプレイ用タッチパネル向けに、高い視認性と高い感度を実現した微細配線電極フィルムを開発したと発表した。

デジタルサイネージや電子黒板などのディスプレイ用タッチパネルの製造ではX面・Y面の2枚の電極フィルムを高精度に位置合わせをし、貼り付ける必要があり、大型化が進むにつれ、位置合わせが困難になるという課題があった。そこで今回、タッチパネルに最適な両面銅張PET材料を開発し、電極配線の一括形成を実現した。これにより、X面・Y面の配線の位置精度を向上させた他、従来必要だったX面・Y面の貼り合わせが不要となり製造工程の削減と軽量化に寄与するという。画面サイズは最大55型まで対応している。

また、高い視認性を得るには細線化が必要だが、現状の銅張PET材料ではPETフィルムと銅パターンの密着強度が弱く細線化には限界があった。同製品では、独自の複合材料技術により、PETフィルムと銅パターンの密着強度を従来品の3倍以上まで高めた。これにより、ビューエリアで3μm、ベゼル部で20μmに配線を細線化し、視認性の向上とビューエリアの拡大が図れる。配線厚は2μmとなっている。

この他、ユーザー側で大画面タッチパネルを高精度かつ容易に製造できるよう、独自の銅配線に関するノウハウをベースに、モアレの低減や電気性能などを考慮した電極配線パターンを自社設計することで、ユーザーの使用条件に合わせた電極フィルムを提供するとしている。

なお、6月より、ユーザーの要望に合わせた受注生産を開始する。

パナソニックのタッチパネル向け微細配線電極フィルム