計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは6月3日、日本アビオニクスとハンドヘルド赤外線サーモグラフィの開発で協業していくことを発表した。
すでに両社はそれぞれの技術や専門知識を融合した製品の開発を進めており、第1弾として赤外線サーモグラフィ「U5855A TrueIR」がアジレントより提供される。
同製品は、アジレント独自のファインレゾリューション技術を採用することで、ハンドヘルド機ながら鮮明な赤外線イメージの提供を実現した。同技術は、連続して撮影した複数の赤外線画像を再構築することで、赤外線イメージの品質を向上することができるというもの。両社は今後、今回の協業を通じて製品力の高い製品の提供を行っていく計画としている。
なお、アジレント・テクノロジーの代表取締役社長である梅島正明氏は、「ハンドヘルド市場は携帯型オシロスコープ、デジタルマルチメータ、サーモグラフィ、絶縁抵抗計など合計で20億ドル規模の市場であり、計測機器分野において有力な市場となっている。しかし、その分野に対し我々は後発であるため、市場シェアを獲得していくのはたやすいことではないが、近年、トレンドの潮目が変わってきており、旧来の故障したら直すというトラブルシューティングから、故障が発生する前に予防して直す、という動きがでてきている。そうした予防診断や予測といった市場が成長してきており、そうした動きをテコに市場でのシェア拡大を狙う」とし、同製品がそうした市場攻略に向けた強力なソリューションになるとコメントしている。