大阪大学サイバーメディアセンターは6月2日、吹田キャンパス・豊中キャンパス・豊中データステーション、うめきた拠点(大阪市北区)に、計算シミュレーションや科学的可視化などの目的で、大規模可視化システムを導入したと発表した。
同システムは、大型・高精細・3Dという3つの特徴を備える「大型3Dタイルドディスプレイ」2式(構築:サイバネットシステム)と、ソフトウェア設定でのハードウェア構成変更を実現する「フレキシブルリソースプールシステム」1式(構築:NEC)から構成されている。
同大は、「京」を中核として全国の主要なスーパーコンピュータを高速ネットワークでつなぐ「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」に参画しているが、大型3Dタイルドディスプレイを用いれば、HPCIでの大規模な計算結果をできるだけ損なうことなく可視化できる。
豊中キャンパスには、1920×1080(フルHD)の50インチプロジェクションモジュールを24台用いて、水平150度程度の広視野と視覚限界に近い約5000万ピクセルの高精細を同時に満たす、24面フラット3Dディスプレイが導入される。
うめきた拠点には、1366×768(HD)の46インチ液晶モニタを15台用いて、シリンドリカル(円筒形)に配置した横5.1m×縦1.7mの大型3Dタイルドディスプレイが導入される。
フレキシブルリソースプールシステムは、システムに必要なコンピュータ資源をリソースプール化し、手作業でシステムの配線を変更することなく、ソフトウェアでハードウェア構成を変更できる。
「CPUリソースプール」として64台のサーバ、「I/Oリソースプール」として、計算性能を向上させる48台のGPU、大量のデータを保存可能な12台で合計約400TBの大容量ストレージ、大規模シミュレーション計算などの高速読み書き処理に対応する4台の高速ストレージなどで構成される。
ネットワーク上に自在に各種デバイスを配置可能なExpEther技術を用いて、6台のラックに分散配置している。