東芝は5月29日、トンネルや橋梁などのひび割れ、水漏れなどの状態の変化を写真画像から検出する技術を開発したと発表した。
また、今回、ケンブリッジ大学とともに、英National Gridが保有するロンドン市内の送電線トンネル内を撮影し、画像データから三次元画像を再構成した後、トンネル内の状態変化を検出する実証実験を5月14日から9月末まで実施する。
近年、国内外でのインフラ老朽化が深刻化し、維持管理に対する取組の重要性が増している。しかし、従来、トンネルや橋梁などの劣化診断は、人が目視により、人手や時間をかけて行っていたが、今回開発した技術により、低コストで汎用性をもつインフラ検査が可能となる。
東芝は、複数の写真から1つの撮影対象を三次元で再構成する「三次元再構成技術」と、異なる時期に撮影された2枚以上の写真を比較して変化を検出する「画像変化検出技術」を組み合わせ、トンネルなどの異常を検出する技術を開発。今回の実験では、送電線トンネル内の約2kmの範囲をデジタルカメラで撮影し、その写真をもとに当該トンネルの三次元画像を再構成したうえで、状態変化の検出を行う。
実験をもとに、今後、本技術を用いた検査の時間を人間が検査した場合に比べて短縮化できることを検証し、劣化診断のコストを従来の約10分の1にし、国内外において2015年度以降の実用化を目指す。