経済産業省は5月30日、「平成26年企業の賃上げ動向に関するフォローアップ調査」の中間集計結果を公表した。今回、5月14日までに調査票を提出した927社の状況が発表された。

同省は、安倍政権の「経済の好循環」実現に向けた施策の一環として、内閣府をはじめとする関係省庁とも連携し、企業の賃上げ動向に関するフォローアップ調査を行っている。同調査は、平成26年の春闘結果などを踏まえた大手企業の賃上げ状況などを把握・公表することを目的としている。

常用労働者の1人平均賃金の引き上げ状況は、「引き上げる/引き上げた」とする企業の割合が、平成25年度の88.6%に対し、平成26年度は92.2%に増加し、ほとんどの企業において賃金の引き上げが行われたことがわかった。

常用労働者の1人平均賃金の引き上げ状況 資料:経済産業省

賃金の引き上げ方法は、ベア(ベースアップ)を行ったとする回答が、平成25年度の7.7%に対し、平成26年度は46.7%と大幅に増加した。「賞与・一時金分」の引き上げの決定は夏以降になされることも多く、平成26年度については、今後増加する可能性があるという。

賃金を引き上げた企業における賃金の引き上げ方法 資料:経済産業省

定期昇給・賃金構造維持分」「ベア(ベースアップ)分」「賞与・一時金分」のいずれも実施したと回答した企業の割合は、平成25年度は1.7%だったのに対し、平成26年度は20.8%と大幅に増加した。

ベアの引き上げ額は、「1,000円以上」の回答が、平成25年度の約47%に対し、平成26年度は約80%と大幅に増加した。平成26年度にベア(ベースアップ)を実施した企業のうち、7割以上の企業が「6年以上ぶりに実施」と回答した。「14年以上ぶり」の企業も14%を占めた。また、「創業以来」との回答も10社あった。

ベースアップの引き上げ額 資料:経済産業省