米Microsoftと米salesforce.comは5月29日(現地時間)、グローバル規模におよぶ戦略的提携を発表した。salesforce.comのCRMアプリケーションとプラットフォームをMicrosoft OfficeとWindowsに接続し、それぞれの顧客に新たなソリューションとモバイル体験を提供する。

現時点で2社は、2つの新たなソリューションの提供を計画している。

1つは「Salesforce1 for Windows」と「Salesforce1 for Windows Phone 8.1」。WindowsデバイスからSalesforceにアクセスし、事業活動を行えるようにするもので、今年秋にプレビュー版をリリースし、2015年に正式版を提供する予定。

もう1つは「Salesforce for Office 365」だ。SalesforceとOffice 365の新たな相互運用をもたらす。Office Mobile、Office for iPad、Office 365を用いてSalesforce1で、またはSalesforce内からのOfficeコンテンツのアクセス/共有/編集/コラボレーションを実現。SalesforceのデータをExcelのセルフサービスBI機能やPower BI for Office 365に接続し、データの視覚化やデータモデルの作成を可能にする。また、OneDrive for BusinessとSharePoint OnlineをSalesforceの統合ストレージオプションとして使用できるようにし、Outlookユーザー向けに新しい「Salesforce App for Outlook」を提供する。リリース時期を含むSalesforce for Office 365の詳細は今後、順次公開するという。

MicrosoftのSatya Nadella氏(左)とsalesforce.comのMarc Benioff氏

salesforce.comのMarc Benioff氏(会長兼CEO)は「今日の発表は、顧客を優先した取り組みについてだ。Microsoftと共に、顧客のプロダクティビティを引き上げる"橋"を構築する」と述べ、MicrosoftのSatya Nadella氏(CEO)も「お互いの顧客に仕え、それぞれの顧客により大きな価値をもたらしたかった」としている。Microsoftは2013年6月に、長年のライバルであったOracleとクラウド分野で提携。今年5月にクラウド事業におけるSAPとの協業強化を発表している。