モバイル向けソリューションの高まりを裏付けるかのように、「Japan IT Week 春」の中でも、特に多くの企業が出展し注目を集めた「スマートフォン&モバイルEXPO」。本稿では、iPadを用いたWeb会議システムの実演デモを実施していたキヤノンソフトウェアのブースの模様を紹介しよう。
シンプルな操作性を証明した、新製品「IC3(アイシーキューブ)for iPad」
キヤノンソフトウェアのブースでは、展示されたデモ機に触れスタッフに説明を求める人が絶え間なく訪れていた。
「今日は、これまでに(14日 15:00時点)、400人くらいの方に説明をさせていただきました」と語るのは、当日にデモ機の説明を担当したキヤノンソフトウェア株式会社 パッケージソリューション事業本部 安場剛志氏である。
今回、主に展示されたデモ機は2014年5月12日に発表されたばかりの新製品「IC3 for iPad」。2005年より、同社が提供しているWeb会議システムIC3の待望のiPad対応版であり、IC3が導入されていれば、App Storeより無料でダウンロードし利用することができる。従来のIC3は、PCのWebブラウザ(Internet Explorer)と、モバイル向けアプリ(iOS、Android)として提供されていた。 だが、Web会議の端末としてはタブレットを利用される可能性が高いことから、より利便性を高めるために、iPadの画面サイズに合わせてユーザーインターフェースを刷新。画面を遷移することなく、すべての操作を一画面で実行できるようになった。
過酷な環境での利用を想定した操作性と音質
具体的に言えば、建築現場や倉庫のような場所でも立ったまま片手で扱えるシンプルなユーザーインターフェース。それを実現するために、キヤノンソフトウェアでは何度となくテストを繰り返し、調整を続けている。
「IC3の開発コンセプトの一つに、モバイルでも簡単に使える製品、というものがあります」(安場氏)。
IC3のこだわりは、新製品でも継承されている。今回の展示会で公開された新製品「IC3 for iPad」では、すべての操作をタッチとフリックで実行することができ、より直感的で分かりやすい操作が可能となっている。
「例えば、建築現場のような座るスペースもない場所で使う場合、立ったまま片手で操作することになります。そのような状況で複雑な操作を求められても、できるはずがありません。現場で本当に使える製品にするためには、沢山の機能よりも、シンプルな使いやすさが重要なのです」(安場氏)
安場氏によると、デモブースに訪れた人のほとんどが、「IC3 for iPad」に初めて触れるにも関わらず、何の違和感もなくスムーズに操作することができたとのことである。
タブレットに最適化された新機能
シンプルが特徴のIC3ではあるが、今回発表されたiPad版においてはタブレットにおける利用を想定した、以下のような新たな機能が追加されている。
・ピンチイン/ピンチアウトによる画面の拡大縮小
・カメラ(フロント/バック)などデバイスの切り替えをワンタッチで操作
・会議参加者が同時に資料を確認できるアプリ共有機能
・音が出せない場所でも会議が可能となるテキストチャット
今後のWeb会議システムはモバイルでの利用を想定したものが増えてくることだろう。だが、同じモバイルであっても、利用する現場と担当によっては、求められる機能が異なることもある。導入する際には、実際の現場でどこまで利用できるかを確認の上で、製品を選定していただきたい。 なお、IC3においては無償トライアルの申し込みが可能となっている。