NECは5月29日、同社の次世代ベクトル型スーパーコンピュータ(スパコン)「SX-ACE」を東北大学サイバーサイエンスセンターおよび大阪大学サイバーメディアセンターからそれぞれ受注したこと、ならびに国立環境研究所が「SX-9」の後継機として「SX-ACE」の導入を決定したことを発表した。

「SX-ACE」は、マルチコア型ベクトルCPUを搭載し、64GFlopsのコア性能および64GB/秒のコアメモリ帯域を実現したベクトル型スパコンで、単一ラック当たりの性能は前機種である「SX-9」に比べ10倍のラック演算性能となる16TFlopsを実現しているほか、メモリ帯域も16テTB/sと、大規模データ処理などでも活用可能な高いアプリケーション性能を発揮できるシステムとなっている。

また、独自の先端LSIテクノロジのほか、高密度設計、高効率冷却技術などを採用することで、従来機種比で消費電力を10分の1、設置面積を5分の1に低減することに成功しているという。

なお、東北大学へは40ラック、2560ノードのシステムが導入される予定で2014年10月に稼働する予定だという。理論最大演算性能は現行システムの25倍以上となる706TFlopsとなるという。また、大阪大学へは1536ノードのシステムが導入される予定で、2014年12月に稼働予定。最大理論性能は423TFlopsとなっている。そして2015年6月稼働予定の国立環境研究所へは、384ノードが導入され、地球環境研究をはじめとする各分野の環境研究に活用される予定だとしている。

SX-ACE(最大8ラック)