The World Wide Web Consortium |
W3C HTTPワーキンググループのメーリングリストに「Please admit defeat (was: Our Schedule)」というメールが投函された。メールを投函したのは高速キャッシュサーバVarnishの開発者でありFreeBSDのカーネル開発者でもあるPoul-Henning Kamp氏。不完全な状態のHTTP/2.0を公開することはさまざまなリソースの無駄であること、HTTPのコンセプトをよりシンプルにして暗号処理やプライバシなどの問題を解決した、しっかりしたプロトコルを策定してから公開すべきだと提案している。
HTTP/2.0はGoogleの開発したSPDYと呼ばれるプロトコルをベースとした次世代のHTTPプロトコル。現在策定が進められている段階にあり、順調にいけば2015年には正式なプロトコルとして策定される見通し。しかし現在策定が進められているHTTP/2.0はいくつかの点で問題を解決できないと説明があり、Poul-Henning Kamp氏はそうした状態のプロトコルを発表することは、HTTP/2.0を実装することになるすべてのソフトウェアにおいて無駄な作業を生むことになると指摘している。
Poul-Henning Kamp氏はGoogle SPDYはHTTP/1.1よりも素晴らしいプロトコルであり、このプロトコルから多くのことを学ぶことができたと説明しつつも、しかしこのプロトコルは問題をすべて解決するところまではいっていないと指摘。現在問題視されている部分をすべて解決するために、HTTPの考え方をもっと単純化した問題を解決するに至るプロトコルを策定してから、正式なプロトコルとして公開すべきだと説明している。