パラマウントベッドは5月26日、認知症予備軍とされる「軽度認知障害(MCI)」かどうかを約10分で判別することが可能な「軽度認知障害(MCI)判別ツール」を発売すると発表した。

MCIは認知機能の低下が見られる最初期の状態であり、放置していた場合、認知機能の低下が続き、約半数の割合で認知症になる可能性があると言われている。一方、近年の研究から、適切な生活習慣改善などの予防策や治療により、認知症への進行を防いだり発症を遅らせたりできることも分かってきており、MCIの早期発見による予防につながることが期待されるようになっている。

同ツールは、米国国立老化研究所が推奨する国際的認知症診断ツールであるCERADバッテリーをベースに米国Medical Careが研究・開発した認知機能チェックテストの日本語版で、医師などの有資格者でなくても、約10 分間の質問で、加齢に伴う「もの忘れ」と認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」の状態を判別することができるものとなっている。テスト実施者と対象者の対話式で行われ、実施者が対象者の回答に応じ画面をクリックするだけで判別でき、テスト結果は、対象者の性別、年齢、テスト回答パターンなどから人口統計学的に自動算出され、認知機能指数で表わされることとなる。

また、その正確性は、米国内で行われた検証の結果、97%の精度、94%の感度、89%の特異度を示したほか、日本語版としても、福岡大学山田医師グループによる正確性検証の結果、原版同等の精度が確認されたという。

なお、同社では、同ツールの日本国内販売総代理店であるミレニアと業務提携し、病院やクリニック、自治体などに対し、初年度で100施設の導入を目指すとしている。

同ツールを用いた各症状の段階における判別精度