子どもの頃、学校で先生から立たされた経験はあるだろうか? 悪いことをしてしまい、皆がいる教室から出されて一人廊下に立ち、自分のやったことを反省するということが目的だが、このような"反省タイム"は、大人になってからも効果的だという。

Forbesの記事「反省により仕事のパフォーマンスを改善する(原題:One Way To Improve Job Performance: Reflect On Your Work)」を紹介したい。

教師や親が子どもを立たせる狙いは、立たされると冷静になって気持ちが落ち着くからだ。これは大人になっても役に立つし、それどころか忙しい我々こそ、そうした時間が必要なのだという。

かといって、子どもの時のように廊下で立つ必要はない。仕事が終わった後に15分、紙と鉛筆を手にして反省する時間を作る。落ち着いて一日の仕事を振り返ったり、改善点を考える。そうした時間を意識的に持つことで、15分間ひたすら仕事をし続けるよりも仕事のパフォーマンスアップに効果的だという。

記事では実際の実験データを紹介している。ノースカロライナ大学キーナン=フラグラービジネススクールの調査では、これを探るためにいくつかの実験を行っている。

そのうちの1つがインドのITサービス企業Wiproでのものだが、同社のカスタマーサポートセンターで新規スタッフを3つのグループに分けて、数週間の初期トレーニングを行ったという。

1つ目のグループは何もせずトレーニングだけ、2つ目は終了後15分前に反省タイムを設けて自分の一日を振り返って自分が学んだことを書き出し、3つ目は反省タイムに追加してそれを仲間と共有してもらった。

1ヶ月後、1つ目のグループに比べて、反省タイムを設けた2つ目のグループは15分間トレーニング時間が短かったにも関わらず、学んだことをチェックするテストの結果は22.8%上回った。反省タイムと共有を行った3つ目のグループについても25%上回ったとの結果が出た。

逆を言うのであれば、1日あたり15分間トレーニング時間が多く、1カ月では約5時間多くトレーニングするにも関わらず、ひたすら作業をするだけだった1つ目のグループは業績が伸びなかったということになる。

これを仕事に当てはめると、仕事をだらだら続けるよりも、15分早く切り上げて仕事を振り返る時間を設けた方が仕事の結果は改善するということになる。

さらには、その内容を同僚やチーム内で共有できるとさらに効果がアップするといえる。「こんなに頑張っているのに業績が上がらない」と壁を感じているのであれば、ぜひとも試してみてほしい。