村田製作所は5月22日、0603(0.6mm×0.3mm)サイズで積層(フィルム)タイプの超HiQ高周波チップインダクタ「LQP03HQ」シリーズの量産を開始したと発表した。
高周波インダクタは、スマートフォンをはじめとする各種モバイル機器の小型化に伴い、現在は0603サイズが主流になっている。また、高周波インダクタが使用される整合回路では、損失を小さくすることで高効率の特性が取得できることから、高周波インダクタンスには、高いQ特性が要求される。そこで今回、小型かつ、さらなる高Q化の要求に応えるべく、小型0603サイズの積層フィルムタイプで最高のQ特性を有する「LQP03HQ」シリーズを発表した。
同製品は、独自の微細加工技術を用いて最適なコイルパターンを形成すると同時に、L字電極構造を採用しており、0603サイズのフィルムタイプの高周波インダクタにおいて、世界トップのQ特性を実現。インダクタンス値4.3nHを有する「LQP03HQ4N3」の周波数2.0GHzにおけるQ値は63と高く、従来品「LQP03TN4N3」におけるQ値39と比較して約60%向上している。
また、Q特性が高いといわれる巻線タイプと同等以上のQ特性を保有しており、同サイズの高周波インダクタでは、世界最高のQ特性を有している。また、従来と同様にインダクタンス値の狭偏差、狭ステップのラインアップを有しており、さらなる電子機器の高性能化に寄与するという。
なお、サンプル価格は5円。4月より福井村田製作所の宮崎工場にて量産を開始している。