Texas Instruments(TI)は5月22日、超低消費電力DSP「TMS320C5517」を発表した。
同製品は、最大200MHzの性能を有し、オーディオやビデオ、生体認証、高性能が要求される解析分野のアプリケーションにおいて、低消費電力で高速なデータ処理を実現。これらのアプリケーションでは、顔検出、物体の追跡、音声認識のような高度な機能を追加する可能性を広げており、「C5517」は性能向上に加え、スタンバイ時とアクティブ時の電力が低いという特徴で対応する。中でも、解析機能が必要となる電池駆動のポータブルシステムに最適となっている。
具体的には、McSPIに外付けセンサを接続することで、低消費電力の解析機能を実現。マスタとスレーブモードを制御する他、より多くのシリアル接続をサポートするため、「C5517」の標準SPIポートに追加できる。また、McBSPは、柔軟なシリアルポートを提供することから、EIC(Embedded Image Codec) D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、その他の標準コーデックに接続可能。さらに、連続的な全二重通信を実現する他、最大128チャネルのTDMモードをサポートする。そして、UHPI(ユニバーサルホストポートインタフェース)を使って、ホストプロセッサとDSPの接続を簡素化できる。また、DSPのメモリへ直接アクセスし、構成要素間でデータ共有を実現する。加えて、10mm角の小型パッケージと超低消費電力動作により、実装面積と消費電力に厳しい制約を持つシステムでも、高い信号処理性能を実現できる。
なお、価格は、1000個受注時で9.05ドル。現在サンプル出荷中。評価モジュール「C5517 EVM」は499ドルで供給中。この他、「C5517」で強化されたSNAP Suite開発環境は、迅速かつ容易なビジョンアプリケーションの開発をビデオストリーム上で支援する。6月から供給開始の予定。