三菱重工グループの三菱重工舶用機械エンジンは5月22日、舶用エンジンの排ガスを最大限に回収・利用して発電効率を高める同社独自の舶用排熱回収システム(MERS:Mitsubishi Energy Recovery System)を初めて鉱石運搬船に搭載し、海上試験において従来船と比較して大幅な燃費削減を達成したことを発表した。
電力消費量の多いコンテナ船のような大型船に搭載した際の燃費削減や環境負荷低減はすでに実証されていたが、それ以外の船舶で実証されたのは今回が初めて。
今回の舶用排熱回収システムは、名村造船所が建造した商船三井の鉱石運搬船に搭載されたもの。MERSは、排ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせ、それらを最適制御することで、広い運転域からの排熱を回収して燃費効率を高めるシステム。
今回、これにシャフトモーターを追設、余剰電力を同モーターを通して主機関に還元することで、排ガスエネルギーをさらに余すことなく回収可能として、約8%の燃費削減を達成した。
三菱重工舶用機械エンジンは今後も、船舶のエネルギー効率を高める多様かつ独創的な省エネ・新環境ソリューションを提案し、船舶の効率化と地球環境保全に貢献していくとしている。